MVP有力候補の大谷翔平、史上初の快挙に高いハードル 米誌は「全員同意は想像以上に稀」

エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】
エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】

米経済誌が大谷翔平の2度目の満票MVP受賞について言及

 投げては9勝、打っても本塁打王争いを独走するなど、“二刀流”で目覚ましい活躍を続けているエンゼルス・大谷翔平投手だが、このオフに新たな“勲章”が加わるかもしれない。それが、MLB史上初となる2度目の「満票MVP」だ。米メディアも「彼が初めて複数回、満票でMVPを獲得する選手になるのではないか」と注目、その難しさについても言及している。

 史上初の快挙の可能性について記事にしたのは、米経済誌「フォーブス」のティム・ケイシー氏。全米野球記者協会(BBWAA)が各リーグでMVPを授与するようになった1931年以降、ア・リーグで11選手、ナ・リーグでは8選手が満票受賞をしているが、2回以上、その栄誉に輝いた選手はいない。大谷は2021年に、ア・リーグの満票受賞者の1人になったが、ケイシー氏は「シーズン最後の9週間で怪我をしたり、予期せぬ大スランプに陥ったりしない限り、オオタニのMVP獲得は、ほぼ確実だろう」と記す。

 大谷が単なる指名打者であったとしても、「彼はMVPの有力候補だ」とケイシー氏。大谷は現在、ポジションプレーヤーのWARが5.0と、レンジャーズのコーリー・シーガー、ブルージェイズのマット・チャップマンの両内野手に0.4差をつけてリーグトップ。それに投手としての成績が加わるのだから、「断トツのMVP候補で、彼にスポーツベットで賭けることは、ほとんど意味がない」とした。

 とはいえ、“全員の同意を得る”となると別の難しさがある。これまでも、満票でMVP確実と信じられていた選手が、受賞を逃したケースがあったと言及。例えば、大谷の相棒、マイク・トラウトも2016年にWAR10.5を記録しながら、「1位票は、30票中19票しか得られなかった」とケイシー氏。

 そもそも、満票でのMVP受賞者自体、2000年以降バリー・ボンズ(2002年)、アルバート・プホルス(2009年)、トラウト(2014年)、ブライス・ハーパー(2015年)、そして2021年の大谷のわずか5人しかおらず、「歴史を見れば、全員が同意することは想像以上に稀なことなのである」と締めくくっている。果たして大谷は、その高いハードルを乗り越えて、史上初の栄誉を獲得できるだろうか。

(Full-Count編集部)

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