史上最高齢での聖地勝利に「100歳になっても!」 灼熱のグラウンドに立つ理由

阪口慶三監督率いる大垣日大が近江に勝利した
阪口慶三監督率いる大垣日大が近江に勝利した

「鬼の阪口」が歴代出場監督最年長の79歳で通算40勝目

 第105回全国高等学校野球選手権記念大会が8日、阪神甲子園球場で行われ、大会3日目第4試合は大垣日大(岐阜)が7-2で近江(滋賀)に勝利した。春夏通じた歴代出場監督で最年長となる阪口慶三監督(79歳)が甲子園通算40勝目を挙げた。試合後には「いろんな人に40勝、40勝と言われていたので勝ててホッとした」と達成感を滲ませた。

 2009年夏に常総学院を率いた木内幸男監督の78歳0か月を上回る、史上最年長の79歳3か月で掴んだ白星に「長いことかかった。本来なら(東邦の監督を勇退した)19年前に終わっていた。これを終わりにしてはいかんと(大垣日大に)呼んでくれて、最高齢までやらせてもらえて幸せです」と感謝を口にした。

 序盤から出塁すると機動力で塁を盗み、昨夏4強の近江を圧倒した。先発した5番・山田渓太投手(3年)は2盗塁を決めるなど果敢な走塁で8回までに3得点。「文句なし。ピッチャーは走らない、走らせたらいけないという考えは間違ってる。運動神経がいいなら走らせる。10盗塁してもびくともしないのがエース」と、かつて「鬼の阪口」と呼ばれた闘将ぶりは今も健在だ。

 1964年から2004年まで率いた東邦時代を含め、通算34回の甲子園出場を果たし、優勝1回、準優勝3回へ導いた。5年ぶりに帰ってきた夏の甲子園の暑さに「きついですね」と汗を拭いながら、「試合でも練習でも(立ち続ける)。それが選手に対する姿勢です」とベンチの最前列で試合終了まで立ち続けた。

 史上最年長勝利を更新したことについて「80歳、90歳になってもやりたいね! 100歳になっても!」と言葉に力を込め、「自分から下りる気はない!」と生涯現役を宣言。「1000人、2000人を超えている」という教え子たちが一塁側アルプススタンドから闘い続ける恩師の快挙を祝福していた。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY