“三つ巴”のパ盗塁王争い 侍戦士が3年ぶり奪取か、初タイトルへ虎視眈々の2選手
パの盗塁王は小深田大翔、外崎修汰、周東佑京の争いに
パ・リーグの盗塁王争いが激烈だ。楽天・小深田大翔内野手、西武・外崎修汰内野手、ソフトバンク・周東佑京内野手が争う展開になっている。 今回は、各選手の球歴や今季の月別成績や盗塁数のデータを紹介する。
小深田は2019年ドラフト1位で楽天に入団。1年目から112試合(全120試合)に出場し、規定打席に到達して打率.288、出塁率.364をマークした。その後も主に遊撃手として活躍。入団から3年連続で110試合以上に出場、3年続けて規定打席に到達した。4年目の今季も開幕からレギュラーとして活躍。チーム事情に応じて二塁、三塁、外野もこなすなど、ユーティリティ性を大いに発揮している。
外崎は2014年ドラフト3位で西武に入団。3年目の2017年は外野でレギュラーを獲得。2018年も故障離脱こそあったものの、キャリアハイの打率.287を記録し、10年ぶりリーグ制覇に貢献した。2019年は浅村栄斗内野手(楽天)のFA移籍に二塁手へコンバートされ、全143試合に出場。自己最高の26本塁打、OPS.846を記録し、リーグ連覇の立役者の一人となった。
源田壮亮内野手と組む二遊間は鉄壁で、2020年と2022年にはゴールデングラブ賞を受賞。一方で、2021年以降は打撃不振に陥っていたが、今季は打撃面でも復調。2021年に盗塁王に輝いた源田に続き、自身初の盗塁王を獲得できるかに注目だ。
周東は2017年育成ドラフト2位でソフトバンクに入団。2年目の2019年の開幕直前に支配下登録を勝ち取り、同年は25盗塁。2020年は打率.270と打撃が向上し、二塁手のレギュラーを獲得。全120試合の短縮シーズンながら50盗塁を決め、自身初の盗塁王に輝いた。2021年は打率.201と打撃不振に陥ったが、それでもリーグ1位まで3個差の21盗塁をマークした。昨年は80試合で22盗塁。4年連続20盗塁以上も達成した。
今年の開幕前に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、メキシコとの準決勝で9回に一塁走者の代走で出場。逆転サヨナラのホームを踏む「神走塁」で大きな話題を呼んだ。今季は打撃不振ながらも、2度目の盗塁王を射程圏内に捉えている。
成功率を上げた小深田、外崎は9年目で初タイトルなるか
小深田は今季、4月から7月まで4か月連続で4盗塁以上を記録。コンスタントに盗塁を積み重ねている。打率.186、出塁率.250と調子の悪い月だった5月に7盗塁を決めた。不振でも塁に出れば盗塁を積み重ねたのはタイトルを争う上で強みとなり得る。また、昨年までの盗塁成功率は.672だったが、今季は8割超。課題に改善の兆しが見られる点も、今後に向けてプラスとなるだろう。
外崎は4月から7月まで4か月連続で4盗塁以上。7月は打率.222、出塁率.292と調子を崩したが、5盗塁を決めている点はポジティブな要素だ。2017年から4年連続で20盗塁以上を記録し、盗塁成功率も高い。ただ、シーズン盗塁数は2018年の25個が最多。過去2シーズンはいずれも10盗塁以下で、今季はタイトル獲得の絶好のチャンスと言える。
周東は4月に6盗塁、5月に7盗塁と序盤はハイペースで盗塁を積み重ねた。しかし、6月は17試合で2盗塁。7月は4盗塁と一定の数字を残したものの、序盤戦に比べてペースが落ちている。今季の周東は、勝負所での代走に加え、代打や守備固めといった幅広い起用がなされている。代走に加えて打撃面でも本来の調子に近づき、塁に出る回数を増やしたいところだ。
盗塁成功率を向上させてタイトル争いに名乗りを上げた小深田、不振を乗り越えて初タイトルに近づいている外崎、球界屈指の俊足を武器に3年ぶりのタイトル獲得を狙う周東。各選手の状況はまさに三者三様で、今後の展開が注目される。
(「パ・リーグ インサイト」編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)