台風の影響で「待ちくたびれた」 1か月弱の空白も…今夏まだ無失点、エースの夢舞台

いなべ総合学園に勝利し笑顔の東恩納蒼(右端)ら沖縄尚学ナイン【写真:共同通信社】
いなべ総合学園に勝利し笑顔の東恩納蒼(右端)ら沖縄尚学ナイン【写真:共同通信社】

ギア上げ完封勝利の力投…沖縄大会から無失点を継続

 第105回全国高校野球選手権大会は11日、大会6日目が行われ、第1試合では沖縄尚学(沖縄)が3-0でいなべ総合(三重)を破り初戦突破を果たした。U-18高校日本代表候補に選ばれているエース右腕・東恩納蒼(ひがしおんな・あおい)投手(3年)が、9回無失点の好投で勝利に貢献した。

 東恩納は、6回に2安打を浴びるなど一死満塁のピンチを背負ったものの、「得点圏では点を取られたくないという気持ちから、勝手にギアが上がってくる」と強気に攻めた。140キロ台の直球で押し、得意球のスライダーで2者連続奪三振。「暑さがあったので、最後まで投げ抜くにはどこかで省エネしないと」と、その後もうまく強弱をつけながらホームを踏ませず、124球を投じての完封勝利を挙げた。

 これで、5試合を投げて無失点だった沖縄大会からの“ゼロ行進”を継続したが、「打たれた時もあって完璧じゃなかった。自己評価は70点」と、クールな表情のエースは厳しい採点。それでも比嘉公也監督は、右腕のピッチングに「さすがエース」と絶賛した。

台風の影響で遅れた関西入りに「待ちくたびれて…」

 沖縄尚学は台風の影響で沖縄からの移動が遅れ、抽選会後の関西入りを余儀なくされた。その影響を考慮して初戦を遅らせる特別措置が取られたが、7月16日には全国で代表1番乗りを決めていたこともあり、甲子園初戦までに1か月弱もの期間が空いた。

 これだけ、実戦間隔が空いた影響は少なからずあったはずだ。それでも「(関西に)入ってきた時はバタバタしましたが、なるようにしかならない」と比嘉監督は落ち着いていた。悪天候で思うように練習ができない中でも、東恩納は感覚を忘れぬように常にボールを持ち、シャドーピッチングでフォームを確認してきたという。初戦が6日目ということもあり、試合が待ち通しかったと口にした選手たち。東恩納も「待ちくたびれて、早く投げたかった」というもどかしさを、夢舞台でぶつけた。

 アルプススタンドからは、声援やメガホンを打ち鳴らす音と共に、沖縄らしく指笛の音が響き渡った。東恩納の父は今春の選抜に続いてブラスバンドの一員としてトランペットを鳴らし、息子の力投を後押し。「とても力になりました」と右腕は感謝を口にした。

 台風の影響にもくじけず、完璧な勝利で幕を開けた沖縄尚学の甲子園。待ちわびた野球をプレーできる喜びを力に変え、夏の甲子園最高成績の“8強超え”を目指す。

(木村竜也 / Tatsuya Kimura)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY