巨人・原監督が用意した秘策「風景を変えてみよう」 連敗阻止に貢献した“半眼采配”

DeNA戦の指揮を執った巨人・原辰徳監督【写真:荒川祐史】
DeNA戦の指揮を執った巨人・原辰徳監督【写真:荒川祐史】

巨人がDeNAに勝利し、連敗を4でストップ

■巨人 5ー1 DeNA(12日・東京ドーム)

 巨人は12日、本拠地・東京ドームで行われたDeNA戦に5-1で勝利し、連敗を4で止めた。3位DeNAとの“Aクラス攻防戦”で、これ以上後退するわけにはいかない崖っぷちの戦い。原辰徳監督はこの一戦に「今日は少しぼんやり風景を見てみようと思って」と普段着用しているコンタクトレンズを外して臨んでいたことを、勝利後に明かした。

 巨人打線は両チーム無得点で迎えた5回、それまで内野安打1本のみに抑えられていたDeNA先発の変則右腕・平良拳太郎投手を攻め、1死二、三塁の好機をつくった。ここでルイス・ブリンソン外野手が、レフト線へ先制2点二塁打。さらに2死後、“平良対策”でスタメン1番に起用された梶谷隆幸外野手が、真ん中高めの144キロ速球をとらえ、追い打ちの中前適時打を放った。これで主導権を握り、8回には坂本勇人内野手が左中間へ決定的な14号2ラン。守っては先発・山崎伊織投手が7回2/3、3安打1失点の好投で快勝に貢献した。

「明日も(コンタクトレンズを)入れずにいってみようかな。チームにとって良い方向に働くのであれば何でも(する)と、全員がそういう気持ちで明日に向かいます」。原監督は少しおどけた口調でそう語った。

 原監督は50代になった頃から、眼鏡をかけて采配を振るうようになり、55歳で初めてコンタクトレンズを着用した。現在65歳。「少し自分の中で、半眼的な形で勝負に臨んでみようかなと思いました。よく“半眼”という言葉を武士なんかが使うじゃないですか。見え過ぎることによって(裏目に出ることもある)というところで、少し風景を変えてみようと思いました」と説明する。

「半眼」とは、目を開けているのでも閉じているのでもない状態のことで、座禅をする時などは半眼がいいとされる。目を開けると情報量過多で心が乱れ、閉じてしまうと眠くなることから、落ち着きと集中力が増す効果があるとも言われる。

前日まで「非常に集中力のある、いいゲーム」を重ねながらも4連敗

 前日までは、接戦を重ねながらも4連敗。原監督は「非常に集中力のある、いいゲームをしている」と選手たちの戦いぶりを評価した上で、「結果的になかなか勝ちにつながらない。本当にもう1歩よ」と鼓舞していた。“半眼”には、自身の焦る気持ちを抑え、落ち着いて采配を振るう意図があったのだろうか。

「連敗していたとは言え、非常に緊張感を持ちながら戦っていた。ただ、勝負っていうのはどっちかに(勝ち星が)付くわけで、相手がやや上回っていたという中で、今日は決定感のある勇人の1発でしたね」と一息ついた原監督。苦境にあって、選手はもちろん指揮官も試行錯誤しつつ、力を尽くして戦っている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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