広陵の追い上げは「想定内」 15年ぶり8強…慶応の“逆境を楽しむ”メンタリティ

慶応・森林貴彦監督【写真:中戸川知世】
慶応・森林貴彦監督【写真:中戸川知世】

5打点の延末藍太「最悪の場面を想定してネクストに入る」

 強豪校対決に3万8000人の観衆が沸いた。第105回全国高校野球選手権は16日、大会10日目が行われ、第2試合は慶応(神奈川)が延長10回タイブレークの6-3で広陵(広島)に勝ち、15年ぶりの8強入りを決めた。5番・延末藍太内野手(3年)が5打点と躍動した。

 慶応は初回に延末の左前適時打で2点を先制すると、3回にも延末の内野ゴロで1点を追加。その後に追いつかれたが延長10回タイブレークでは「9回を抑えればウチが(打順で)有利だった」という森林貴彦監督の読みが的中した。

 1番・丸田湊斗外野手(3年)の右前打で満塁とし、相手の失策に乗じて勝ち越し点を得た。そして、延末が2死から右前2点打。リードを広げた。「すべて想定内」と頬を緩めた延末。「1球に歓声が上がって、ワンプレーで勝負が決まる。これが甲子園だなと楽しむことができました」と同校が掲げる「エンジョイ・ベースボール」を体現した。

 好打の秘訣は「前のバッターが最悪の(結果になった)場面を想定してネクストに入る」ことだ。チームのメンタルトレーニングの一環として、守備やピッチングでもネガティブな展開を「全て想定内にしておく」ことを心掛けている。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

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