西武ブルペンを救うドラ4ルーキー “代役”守護神も動じず「薄々あるのではないかと」
3セーブ目の西武・青山美夏人を松井監督称賛「最高のボールを投げてくれた」
■西武 4ー2 楽天(17日・ベルーナドーム)
困った時の“みなと”だ。西武のドラフト4位ルーキー・青山美夏人(みなと)投手は17日、本拠地ベルーナドームで行われた楽天戦で2点リードの9回に登板し、1安打1四球を許しながらも無失点に抑え、3セーブ目を挙げた。通算193セーブを誇る守護神の増田達至投手が2日前(15日)の同カードで、5安打3失点と炎上しショッキングな逆転負けを喫したばかり。新人が代役を全うし、チームの窮地を救った。
4-2とリードして迎えた9回。青山はブルペンで、早くから冷静に自分の出番を読んでいた。「直接は言われていないのですが、ブルペンで番手(投げる順番)が後ろの方だったので、薄々(抑えでの起用が)あるんじゃないかなと思っていました」と明かした。
先頭のマイケル・フランコ内野手に初球のストレートを左前打されたのを皮切りに、2死一、三塁とされ、プロ12年目の代打・鈴木大地内野手を迎えた。5球目に一塁走者の小深田大翔内野手に二盗を許し、1打同点の場面に追い込まれる。そしてカウント3-2からの7球目。捕手の古賀悠斗のサインは、内角のストレートだった。「古賀さんが僕を信頼してサインを出してくれたので、僕も自分を信じて投げ切るだけだと思いました」と言う青山は、渾身の146キロで詰まらせ、二ゴロに仕留めたのだった。
松井稼頭央監督は、青山が走者を出した時点で、左腕の佐藤隼輔投手にも肩をつくらせたが、最後は「あそこまでいったらもう、青山かなと思いました」と覚悟を決めた。「(鈴木大に対して)勝負にいったところは、非常に評価できると思います。最後に最高のボールを投げてくれたのではないでしょうか」と称えた。
「どのポジションよりも緊張感がある」抑えにやりがい
亜大から即戦力と期待されて入団し、実際に開幕1軍入りを果たし、いまだ1度も2軍に落ちたことがない。3月31日のオリックスとの今季開幕戦で、いきなり1点リードの9回に出番を与えられ、2死を取りながら森友哉捕手に同点ソロを被弾。しかし、2日後の4月2日の同カードではプロ初セーブを挙げ、早速リベンジを果たしている。今月13日のロッテ戦では、ブルペンデーの先発を任された(2回2安打2失点で負け投手)。
八面六臂の活躍で30試合0勝1敗3セーブ、防御率3.71(17日現在)。青山自身は「いろいろな経験をさせていただいているので、期待に応えたい」と前向きにとらえ、とりわけ抑えには「どのポジションよりも緊張感があると思います」とやりがいを感じている。
松井監督は「増田が(15日に)30球以上投げたので、リカバリーを含め、福岡(18~20日のソフトバンク3連戦=PayPayドーム)で増田というのは考えています」と明言。おいそれと本格的に守護神交代とはいかないが、青山がチームにとって重要な役割を担っていることは間違いない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)