大谷翔平の異次元「.395」 メジャー最高の“速球破壊”…年々進化を続ける対応力
対フォーシーム打率.395はメジャー1位
ア・リーグ本塁打王争いを独走しているエンゼルス・大谷翔平投手。19日(日本時間20日)時点での43号は2位に10本差をつけるトップ、89打点は3打点差の3位、打率.306も3位につけ、打撃3冠王の獲得に期待がかかる。パワーはこれまでもメジャー屈指だったが、過去5年間で打率は最高でも.286(2019年)。なぜ今季は高い打率を維持できているのだろうか。
顕著な変化として挙げられるのが「速球への対応力」だ。今季の大谷は速球、いわゆるフォーシームに対しての打率が「.395」を記録。これはメジャートップ(投球数400球以上)の数値だ。43本塁打のうち最も柵越えしている球種もフォーシームの13本で、長打率.798はメジャー2位と圧倒的なパワーを発揮している。
メジャー生活6年で、大谷への配球で最も多い球種もフォーシーム。過去5年間の成績は打率.279、40本だったのだから、いかに今季の成績が突出しているのかが一目瞭然だ。満票でMVPを獲得した2021年も、意外なことに対フォーシームの成績は打率.253、12本、長打率.540と図抜けていなかった。しかし、昨年は打率.305と成績を改善させ、今季はメジャー1位の打率.395と“速球キラー”と言えるほどの飛躍を遂げた。
当然、プレーオフ争いが熾烈になってくる8月以降は、他球団の警戒度も上昇。大谷へのフォーシームの投球割合は7月まで33%前後だったのが、8月からは25%ほどに減り、スライダーとチェンジアップの割合が増加。変化球攻めにシフトしつつある。それでも、今季得意としているフォーシームが投じられた時は大谷のバットが火を噴き、打率.467、2本、長打率.933と異次元の数字を残している。好球必打の打撃を続けたその先に、日本人初の本塁打王、メジャー3冠王の偉業が待っているかもしれない。
(Full-Count編集部)