DeNAは「Aクラス争いも厳しい状況」 バウアーに援護なし…専門家が指摘する“課題”
DeNAは2年ぶりに阪神相手にシーズン負け越し
■阪神 2ー0 DeNA(20日・横浜)
DeNAは20日に本拠地・横浜スタジアムで行われた阪神戦に0-2で敗れた。2年ぶりに阪神相手にシーズン負け越しが決まり、首位とのゲーム差は「11」。バウアーの力投も勝利に繋がらず、首位打者の宮崎も登録を抹消される見込み。野球評論家の新井宏昌氏は「Aクラス争いも厳しい状況になってきた」と指摘する。
中4日で8回2失点、120球の熱投を見せたバウアーを援護できなかった。2回には2死一、三塁から木浪に156キロの直球を弾き返され先制点を献上。4回にも2死三塁から投手・伊藤将に中前適時打を浴びた。5回以降は変化球主体の投球に切り替え無失点に抑えるも、打線が無得点に終わり10勝目は次戦に持ち越し。
試合のなかで修正した右腕の投球に新井氏は「あれだけ多彩でキレのある変化球を持ちながら、真っすぐ中心の配球で2失点。ボール自体は中4日を感じさせない威力があっただけに勿体なかった」と指摘。阪神打線に直球を狙われた序盤の投球が勝負の分かれ目となった。
マウンドに降りる際にはスタンドに手のひらを上げ、ファンを煽るなどチームを鼓舞する仕草を見せたバウアー。「チームとしては非常に助かる。どんな投手もマウンドに上がれば降りたくはない。志願して次のイニングに上がり、責任をもって無失点で帰ってくる。これがバウアーの素晴らしいところ」。途中加入の助っ人ながら勝利に対する欲は誰よりも強い。
新井氏「打線が課題。他球団からすれば今は牧をマークすれば怖くない」
チームはバウアー以外にもリーグトップタイの10勝をマークする東、7勝のエース・今永ら投手陣はある程度揃っている。それだけに新井氏は「打線が課題。他球団からすれば今は牧をマークすれば怖くない。(離脱の可能性がある)宮崎が離れれば離れる程、得点力は落ちていく」と語る。
ここまでチーム打率.248はリーグ2位ながら、期待されていたソト、オースティンの主砲は打線の中で揃うことなく、シーズン序盤に打線のキーマンだった桑原、関根、佐野の調子も下降気味だ。
「助っ人(ソト、オースティン)にはもはや全盛期の力がない。打線は以前のような破壊力もなく、機動力もそこまで使えない。攻撃のバリエーションは少ないので、どこで得点を奪っていくか。投手陣にこれまで以上に踏ん張ってもらわないと厳しい戦いは続くと思います」
2位・広島とのゲーム差は「4」に広がり、4位・巨人は1.5差で追いかけてくる展開。シーズンは残り34試合。Aクラス争いは最後まで分からなくなってきた。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)