大谷翔平に敵も「憧れの眼差し」 ライバルの地元記者が見る3冠王の可能性
2本の満塁弾を浴びているレイズ番記者も「他の選手に出塁させないことが大事」
エンゼルスの大谷翔平投手は今季、投打二刀流としてだけでなく“打者”として異次元の活躍を見せている。20日(日本時間21日)現在で打率.306(ア・リーグ3位)、43本塁打(同1位)、89打点(同3位)と、3冠王も射程圏内。18日(同19日)から3連戦を戦ったレイズの番記者は「彼らは憧れの眼差しで大谷のことを見ているよ」とその凄さを語った。
大谷はレイズ戦にめっぽう強い。通算対戦成績は打率.356、9本塁打、24打点、OPS1.221。地元紙「タンパベイ・タイムズ」のレイズ番マーク・トプキン記者は「レイズは(大谷に)2本の満塁弾を打たれているから、彼の良さを理解しているだろう。彼をコントロールするのは不可能だ」とお手上げ状態だ。「他の選手に出塁させないことが大事だね」と苦笑いする。
ダブルヘッダーが行われた19日(同20日)の試合前、レイズのケビン・キャッシュ監督も“大谷対策”について「大谷の前に走者を出さないことだ」と話していた。18日(同19日)には満塁本塁打を被弾。実際にダブルヘッダーでは大谷の前に走者が出たのは1回のみだった。
ここまで打率、本塁打、打点のすべてでリーグ3位圏内にいる大谷。しかし、現時点で最も難易度が高いのは首位打者だろう。本塁打は独走状態で、打点はトップと3差。しかし、打率は1位のレイズのヤンディ・ディアス内野手が.325と約2分の差がある。また、規定打席未満ながらレンジャーズのコーリー・シーガー内野手も.346の高打率を残している。残り38試合で135打席が必要になっている。
トプキン記者は「ディアスは典型的な先頭打者ではないし、首位打者になりそうなタイプの選手ではない。総合的に見たら大谷のほうが上」と評価する。一方で、「だけど、コンタクト能力が凄いし、強い打球を打つこともできる。今年のディアスはとてもいい打者だからね」とも。夢の3冠王には大きな壁となってきそうだ。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)