10年前の主将が贈る「金言」 侍U-18代表は「絶好の機会」野球で受け継ぐ“絆”
オリックス・森友哉が侍U-18代表にエール
あの時の笑顔で、今も繋がっている。オリックスの森友哉捕手は10年前、野球日本代表「侍ジャパン」U-18代表の主将を務め「WBSC U-18 ベースボールワールドカップ」に出場した経験がある。懸命に白球を追った仲間は、今でも“球友”で「かけがえのない出会いだったと思います」と回想する。
森は大阪桐蔭2年時、1年先輩の藤浪晋太郎投手(オリオールズ)とバッテリーを組み、史上7校目の春夏連覇を達成した。その直後の侍U-18代表にも2年生ながら選出されるなど、2年連続で国際大会を経験。3年時には主将としてチームをまとめつつ、持ち味の打撃力で大会打点王(15打点)に輝いた。
今年も、甲子園の季節が終わった。もうすぐ、秋が来る。森に侍U-18代表での経験を尋ねると「懐かしいですね。正直、あんまりはっきりは覚えてないですけど」と苦笑い。すでに10年の時が経った。毎日、懸命に野球と向き合う森にとって、当然なのかもしれない。
ただ、その場に立ち止まってニッコリと笑う。当時を思い返し「全国の凄い選手が集まる、絶好の機会。思い切り楽しんだ方が良いと思います」と球児たちにエールを送った。
10年が過ぎても、切磋琢磨できる仲間がいる。今季からチームメートになった山岡泰輔投手、若月健矢捕手とは、侍U-18代表で出会った。「今でも仲がいいですし、野球を通じて繋がりがあるのはすごく良いこと」。10年前に描いた、再び同じ色のユニホームを着て奮闘する青写真は、現実となっていた。
今年の「第31回 WBSC U-18 ベースボールワールドカップ」は31日に台湾で開幕する。颯爽と駆ける球児たちを思い、森は気持ちを込めた。「全員で頑張ろうという気持ちで、一丸になっていけば良い結果につながると思います」。歴代の先輩たちの“絆”を受け継ぐ秋になる。
(真柴健 / Ken Mashiba)