エ軍解体劇で「新しい戦略が生まれた」 ルール変更の議論発展も…MLBに与える影響
「ライバル球団の編成部は賢いビジネスとして評価している」
大谷翔平投手が所属するエンゼルスは、元ソフトバンクのマット・ムーア投手ら主力6選手がウェーバー公示にかけられたことが29日(日本時間30日)に米メディアに報じられた。米スポーツ局「ESPN」は「新しい戦略」として評価。総年俸削減がMLBに与える影響を分析した。
エンゼルスがウェーバー公示にかけたのは、ムーアのほかにルーカス・ジオリト投手、レイナルド・ロペス投手、ドミニク・リオン投手、ハンター・レンフロー外野手、ランダル・グリチック外野手。いずれの選手も今オフにFAとなる。
プレーオフ進出は絶望的となり、チームが“解体”する事態も、同局は「エンゼルスは今週、大量のベテラン選手をウェーバーに投げ売るという戦略にでたが、ライバル球団の編成部は賢いビジネスとして評価している。ルール変更の議論に発展する可能性があるほど、(この戦略は)トレンドになりつつある」とみる。
あるライバル球団の編成部は「彼らは(全てを)賭けたが、プレーオフ争いから離脱した。なので、今後に向けてよりいい財政状況に身を置こうとしている。彼らをキープするのではなく、クオリファイングオファーも提示しないのであれば、コスト削減は理にかなっている」と話したという。
全員を放出することになれば総年俸800万ドル(約11億7000万ドル)の削減になり、ぜいたく税は課税ラインを下回る総年俸2億3300万ドル(約341億円)になる。
ヤンキースはベイダーとドナルドソン、ガーディアンズもシンダガードに対して同様にウェーバー公示した。同局は「エンゼルス、ヤンキース、そしてルール上の抜け穴を効率よく活用して選手を獲得する球団によって、新しい戦略が生まれた」と今後に与える影響に言及した。
(Full-Count編集部)