きっかけは選手の一言「助けになりたい」 阪神“緑ユニ”が表現する「家族の絆」

阪神が開催した「Family with Tigers Day」の様子【写真:球団提供】
阪神が開催した「Family with Tigers Day」の様子【写真:球団提供】

昨年からスタート…家族をテーマにしたイベント試合「Family with Tigers Day」

 阪神は31日、家族をテーマにした「Family with Tigers Day」の対象試合で監督、コーチ、選手が着用した限定ユニホームをサイン入りで出品するチャリティオークションを開催することを発表した。緑を基調としたユニホームで“家族の絆”を表現した同イベントは、選手と球団が一体となり実現していた。

 平穏や安らぎを意味するグリーンを主体としたデザインのユニホームを着用する「Family with Tigers Day」は昨年から始まり、今年も5試合が行われた。同イベントが生まれたきっかけは坂本誠志郎捕手の一言だったという。

 2021年には新型コロナウイルスへの対応が長期化する中、第一線で感染症患者に対応する医療従事者に向けた「HEALTH CARE HEROES GAME」を実施。同年オフに主将の坂本が報道陣からの質問に対して「コロナに関わらず困っている人の助けになるようなことをしたい」と述べたことを受け、翌2022年から家族の絆を深め笑顔溢れる毎日を過ごせるよう「Family with Tigers Day」がスタートした。

 球団営業部の西村翔太さんは「タイガースとしてできることは何か? コロナで仕事がなくなるなど今までの生活を失った人たちもいる。家庭が安定してないと野球も楽しめない。それがあっての娯楽。坂本、近本を含め選手たちが社会貢献にも意欲的で思いも強かった」と明かす。

選手のこだわりが詰まった“緑”ユニホーム【写真:球団提供】
選手のこだわりが詰まった“緑”ユニホーム【写真:球団提供】

選手のこだわり詰まった緑ユニ…胸には四つ葉のクローバーが刺繍

 ユニホームのデザインにも選手たちのこだわりが詰まっている。昨年は青を基調したユニホームに右胸にはハート、今年は四つ葉のクローバーのロゴが刺繍された。西村さんは「色の意味合いが大事。青は平和、緑は安らぎ。ロゴに関しても昨年は坂本から『何かほしい。ハートのワンポイントはどうですか?』と提案がありました。ユニホームを通じてもメッセージを届けることができれば」と語る。

 家族が球場で楽しめるよう、今年はOBの糸井嘉男氏とお笑い芸人のハリウッドザコシショウが共演するなど、関西ならではの“お笑い要素”も取り入れた。来年も継続して行う予定で、試合前から選手と直接触れ合う企画などを計画している。

 今回のオークションは9月1日午前10時から14日午後11時まで開催。収益金(一部経費を除く)は来季の同イベント試合において、支援が必要な子育て世帯を球場へ招待するために「日本財団子どもサポート基金」へ寄附するほか、西宮市民を対象に「子育て家庭ショートステイ事業」や「子ども食堂事業」等の子ども・子育て支援を行うために西宮市へも寄附を行う。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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