侍U-18が悲願の世界一! 馬淵監督も涙…主将の離脱を乗り越えて掴んだ栄冠
エース前田が完投勝利、歓喜の指揮官は5度宙を舞う
高校日本代表「侍ジャパン」は10日、台湾(台北)で行われている「第31回 WBSC U-18 ベースボールワールドカップ」決勝戦で台湾に2-1で勝利。悲願の初優勝を飾った。
1点リードの7回2死一塁。最後の打者を二ゴロに仕留めると、マウンド付近に歓喜の輪が広がった。ウォーターシャワーで喜びを現す選手たち。5度の胴上げ。馬淵史郎監督の目には涙が光った。脳震とうで出場できなかった主将の小林隼翔内野手(広陵)も5度宙に舞った。
指揮官の采配が光った。1点を追う4回に「スモール・ベースボール」を体現した。先頭の緒方漣内野手(横浜)が四球で出塁すると、犠打で1死二塁に。続く丸田湊斗外野手(慶応)がセーフティバントを試みた。一塁塁審の判定はアウトだったが、リクエストの結果セーフに覆り1死一、三塁とチャンスを拡大した。
この好機で今大会2度目のスタメン起用となった6番・高中一樹内野手(聖光学院)がスクイズを敢行。三塁前に転がり、これを三塁手が一塁に悪送球。丸田も生還し、逆転に成功した。犠打から3連続バントで試合をひっくり返した。先発を託された前田悠伍投手(大阪桐蔭)は、初回に今大会初失点を喫したが、2回以降は立ち直って完投した。
今大会で主将を務めた小林は3日の米国戦で負傷。6日に退院したが、脳震とうの影響でこの日も出場の許可は出なかった。しかし、ベンチに入りしてナインを鼓舞。その思いに仲間たちが応えた。
侍U-18代表は9日のスーパーラウンド3戦目で台湾と対戦し、2-5で敗れていた。“前哨戦”では黒星を喫したが、決勝戦では粘り勝ち。「雪辱したい」と意気込んでいた馬淵監督の采配が、初優勝を導いた。