大谷翔平はとにかく「ナイスガイ」 レオ新主砲が明かす“元同僚”の素顔と人間性

インタビューに応じた西武のデビッド・マキノン【写真:矢口亨】
インタビューに応じた西武のデビッド・マキノン【写真:矢口亨】

国歌斉唱の際ビジョンに映し出される大谷へちょっかい

 西武で今季44試合で4番を務め、12本塁打を放つなど来日1年目から活躍しているデビッド・マキノン内野手(成績は12日現在)。8月末に右肩痛で一時離脱したが、12日に戦列復帰し、更なる打棒が期待される。貢献度大の助っ人に、昨年エンゼルスでチームメートとしてプレーした大谷翔平投手について聞いた。実は大谷以外にも、縁のある日本人メジャーリーガーがいる。

「日本のメディアからもう何百回と聞かれている質問を、させてください」と断ると、マキノンはこちらの意図を汲み取り、「全然問題ないよ」と満面の笑みで応じてくれた。マキノンはエンゼルス時代の昨年6月18日、マリナーズ戦に「6番・一塁」でスタメン出場しメジャーデビュー。8月にはDFAとなりアスレチックスへ移籍したが、約1か月半の間、同じ1994年生まれの大谷と同僚だった。

 マキノンの目から見た大谷は、とにかく「ナイスガイ」。抜群の成績を残していても、偉そうに振る舞うことは一切なく、誰に対しても平等に接していた。「そこが彼のいいところだよ」と断言する。試合前の国歌斉唱の際、スターである大谷の姿は必ず球場のビジョンに映し出される。大谷は真面目に国歌を聞こうとするけれど、隣の選手が笑わせようとしたり、ちょっかいを出したりするそうだ。大谷が噴き出してしまったことも。大谷の真面目な性格、チームメートとの気の置けない関係がうかがえる。

 チャンスで打てなかった時などは、大谷でも自分自身に対し怒りをあらわにすることはあった。マキノンは「彼がどれだけ真剣に野球に取り組んでいるかの表れだと思う。真剣だからこそ、ふがいない結果に怒るのも当然だ」と評し、「その中でもチームメートには気さくに接していた。決して近づきがたい選手でない。そこが彼の人間性だよ」と称える。

西武のデビッド・マキノン【写真:矢口亨】
西武のデビッド・マキノン【写真:矢口亨】

“日本人選手つながり”で言えば、マキノンの妻の実弟は、MLBレッドソックスのコーナー・ウォン捕手だ。マキノンより2歳下の1996年生まれで、マキノンと同じ2017年にドラフト3巡目でドジャースから指名され入団。2020年にレッドソックスへ移籍し、今季から背番号12を背負っている。「マサタカ・ヨシダ(吉田正尚外野手)のチームメートというわけさ」とマキノンは笑う。

 現在は妻、1歳6か月の息子と日本で3人暮らし。昨年12月の入団会見の際に「日本で行きたい場所」として挙げていた東京ディズニーランドには、オールスター期間中などに何度か足を運んだ。日本語もどんどん上達し、チームメートと積極的にコミュニケーションを取っている。この夏に覚えた言葉は「ムシテル(蒸してる)」。日本特有の湿度の高さには驚かされているが、チームの順位を押し上げるため、残りのシーズンも奮闘を続ける。

(倉林知子 / Tomoko Kurabayashi)

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