侍女子に完封負けも「感動しています」 敵将が感じた日本との“微小な大差”

日本代表とハイタッチを交わす台湾代表・黄明輝監督(中央)【写真:喜岡桜】
日本代表とハイタッチを交わす台湾代表・黄明輝監督(中央)【写真:喜岡桜】

侍ジャパン女子代表はチャイニーズ・タイペイに2-0で勝利、ファイナルステージに進出

 野球日本代表「侍ジャパン」女子代表は16日、広島・三次きんさいスタジアムで行われているカーネクストpresents「第9回WBSC女子野球ワールドカップ・グループB」でチャイニーズ・タイペイに2-0で勝利した。この勝利により、2024年にカナダで行われるファイナルステージ進出が確定。最後まで投げ抜いた小野寺佳奈投手(巨人)に完封負けを喫したチャイニーズ・タイペイの黄明輝(ホァン・ミンフイ)監督は、日本投手陣について「台湾にはいないレベル。間違いなく世界一です」と絶賛した。

 前回大会決勝の再戦となった。チャイニーズ・タイペイは右腕のワン・シャオチェン投手が4イニングを踏ん張り、5月のアジア大会で日本戦に登板しているファン・チャオユン投手へとつないだ。しかし、侍ジャパンの最速126キロ右腕・小野寺に封じられ、川端友紀内野手(九州ハニーズ)と岩見香枝内野手(西武レディース)の適時打による2点をひっくり返すことはできなかった。

 試合後、黄監督は「日本代表は強い。本当に強いんです」と念を押し、「2-0の試合ができるなんて頑張った証です。とてもうれしくて、メンバー全員で感動しています」と、世界ランキング1位の日本に対する善戦を喜んだ。反省点について問われると「攻撃も守備もどちらも至らなかった。もうちょっと練習してくるべきでした」と肩を落とした。

 8月末に台湾で開幕した「第31回WBSC U-18ベースボールワールドカップ」も観戦したという指揮官。女子代表が日本へ旅立つ3日前に決勝が行われ、「まだ台湾にいたのでもちろん見ましたよ! 2-1だったでしょう。日本がチャンピオンですもんね! おめでとうございます」と興奮を隠さない。

「日本の野球は“スモール”だけど強い」…敵将が語る日台の違い

 対戦相手へ最大限のリスペクトを示した。ただ、試合が始まれば「諦めない野球をしましょう」と最後まで牙をむいた。日本について「台湾とは違った野球漬けの生活を送っている印象があります」と語り、女子野球を含むすべてのカテゴリーで、両国に練習量の差があると指摘。さらに「台湾ではそのような生活をしている選手は多くはないですし、女子野球選手もまだ少ない。女子のチーム数も全部あわせて18個程度です」と、競技人口や環境に違いがあるとした。

 さらに黄監督は「日本の野球は“スモール”だけど、それでも強い。小さな子どもたちの大会から、大人が出場する大会まで、世界のチャンピオンですよ」と絶賛する。ただ、当然ながら負けるつもりはない。「日本に勝って、超えるために、努力に努力を重ねています」と、限られた練習時間で鍛練を積んでいる。

 前回大会であと一歩届かなかった世界制覇を達成するため「台湾も明日(フランスと)の試合に勝って、ファイナルステージ進出を決めますよ」と強く意気込んだ。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

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