大谷翔平に「何かが起きる予感した」 指揮官が語る今季終了の舞台裏、一問一答

試合前に取材に応じたエンゼルスのフィル・ネビン監督【写真:小谷真弥】
試合前に取材に応じたエンゼルスのフィル・ネビン監督【写真:小谷真弥】

ネビン監督「やることが別格だ。今より成長した姿で戻ってきてくれると信じている」

 エンゼルスは16日(日本時間17日)、大谷翔平投手を右脇腹痛で15日間の負傷者リスト(IL)に入れ、今季の残り試合を欠場すると発表した。フィル・ネビン監督は本拠地・タイガース戦前に報道陣の取材に応じ、二刀流の途中離脱に無念の表情を浮かべた。

――大谷が今季の残り試合を欠場する。
「私たちは何かが起きる予感がしていた。昨日、彼がMRI検査を要望した。そして、結果は見ての通りだ。今シーズン残りの試合に出場できない。彼は闘ったし、頑張った。本当にプレーしたそうだったから、不満に思っているだろうけど、(結果を見て)彼は今年プレーできないことを理解したと思う」

――ミナシアンGMは大谷が本拠地の試合に帯同すると言っていた。
「昨晩、彼の方から私に伝えてきた。前も言ったけど、ここでチームメートと一緒にいることが好きだ。自分でいられる場所だ。シーズン最後の1週間ここにいることはいいことだ。ここには、たくさんのことを学んでいる若手の選手がいる。彼、マイク(トラウト)、そしてアンソニー(レンドン)がいることでチームが良くなる」

――大谷のような選手を抱えることで学んだことは。
「2度と彼みたいな選手を指揮することはないだろう。やることが別格だ。毎日そのような話をしているから、彼がいなくなることは寂しい。でも、彼ならこのリハビリを乗り越えてくれると思うし、今よりも成長した姿で戻ってきてくれると信じている」

――11試合連続で欠場していた。大谷がチームからいなくなるということは。
「ここにいる全員が彼の状況を理解している。フィールドに立てないけど、若手を起用する機会を与えてくれた。パリス、フィリップス。フレッチ(フレッチャー)とウォルシュが戻ってきてくれたこともいいことだ。そして、(大谷は)よく会話するから、いいチームメートだ。もちろんフィールドに立てないのは私たちにとって大きな痛手だけど、(同時に)今シーズンの状況も理解している。出場機会を得る選手が増えたことは、ポジティブに捉えたい」

今オフにFAでエンゼルスを退団する可能性「オフシーズンが始まったら心配すればいい」

――大谷は来季エンゼルスにいないかもしれない。
「今シーズン序盤にも同じことを言ったけど、あまり心配していないことだ。オフシーズンが始まったら心配すればいい。私たちには今晩やらなくてはいけない仕事があり、選手たちを準備させて、試合に勝たなければいけない」

――大谷と築いた信頼関係について。
「私の選手全員との信頼関係を大事にしている。でも、彼の貢献度がすごいから、他の誰よりも会話をしたと思う。リスペクトの念を持って接している。多くのことを学んだし、彼も同じように考えてくれるといい」

――大谷が残り試合を欠場することが確定した今の心境は。
「野球への愛情に個人差があることは構わないことだ。でも、この後、ポストシーズンに進出する可能性のある2チーム(レイズ、ツインズ)と対戦する。私たちは毎日試合に勝つために準備をする。それは、シーズンを通して変わらないことだ。直近は彼が欠場した試合が多かったけど、戦い方は同じだ」

――大谷の今後のキャリアについて。
「ここに何年いたのかな? 私で良ければ喜んで相談に乗る。どうなるか見守ろう。彼に戻って欲しくないと言ったら、それはクレイジーなことだ。全30球団が打者として、彼を欲しいと思うだろう。私たちはこの5、6年の間で彼のことをよく知れたし、もちろん戻って来てほしいと思っている。セールスポイントとしては、彼はここでのプレー経験があり、やり方を(すでに)理解している。そして、どれくらい私たちや、チームメートが彼のことを愛しているかを理解してくれているはずだ。こういう話はシーズン終了後にしよう」

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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