一流の証「3割打者」が激減… 記録的低水準、52年ぶり「1人のみ」の珍現象の可能性
セは3割打者が1人のみだと、1971年のセ・リーグ以来の珍事に
プロ野球のレギュラーシーズンも各チーム残り10試合前後となり、タイトルを巡る戦いにも注目が集まる。首位打者争いでは、セ・リーグはDeNA・宮崎敏郎が打率.330として、2位以下を大きく突き放している。パ・リーグではオリックス・頓宮裕真が.307でトップに立っている。23日に「左第4中足骨疲労骨折」が発表され、レギュラーシーズン中の復帰は不透明だが、初のタイトル獲得が間近に迫っている。そこで気になるのが、2位以下の選手の打率。セ2位の坂本勇人(巨人)は.296、パ2位の柳田悠岐(ソフトバンク)は.300と、今季は「3割打者」が極端に少ないのだ。(数字は24日終了時)
近年のプロ野球では“投高打低”と言われて久しいが、今季は打率でも顕著にその傾向が出ている。過去3年を見ると、規定打席に到達した3割打者の数は2020年は12人(セ8人:パ4人)、2021年は11人(セ7人:パ4人)、2022年は6人(セ4人:パ2人)となっている。そんな中、今季は現状セで1人、パで2人と極端に少ない。
2リーグ制以降、3割打者が1人しか生まれないとなれば、1971年のセ・リーグ以来52年ぶりとなる。同年は長嶋茂雄(巨人)が.320で首位打者を獲得。2位の衣笠祥雄(広島)が.285となっている。パ・リーグでは秋山翔吾(当時西武)が.322で首位打者、2位の柳田が.310を記録した2017年の2人が最小だ。
現在の成績を考慮すると、大台到達の可能性がある選手も限られる。セでは2割9分台の坂本とヤクルトのドミンゴ・サンタナ、DeNA・牧秀悟、中日・大島洋平、阪神・大山悠輔あたりか。パでは、ソフトバンクの近藤健介が.298で可能性を残しているが、頓宮・柳田と合わせても3人が限界か。一流の証といわれる「3割打者」が希少な存在となるか。レギュラーシーズン最後まで目が離せない。