球団幹部は本音「満足はしていない」 2年連続低迷も…新庄監督続投を決断した背景
観客動員数はリーグ2位…指揮官「来年はこの時期に優勝争いを」
日本ハムは27日、新庄剛志監督の来季続投を発表した。契約期間は2024年シーズン終了時まで。就任1年目だった2022年は59勝81敗3分(勝率.421)で6位、今季もここまで58勝78敗1分(勝率.426)で最下位に沈んでいる。それでも3年目政権を託した理由を、井川伸久取締役オーナー、小村勝代表取締役社長兼オーナー代行が明かした。
井川オーナーは冒頭、「数字の上では、ファンの皆さんの期待に添う結果にはなっていません。しかしながら、これまでの試合を振り返ってみても、個々の選手の潜在能力や意欲を引き出し、成長を促してくれました。転換期であるチームを成長させている点は十分評価されるべきであり、ファンの皆さんを大切にされる立ち振る舞いも、ファイターズの活動指針に沿うものでありますので、我々の期待が揺らぐことはございませんでした」と絶大な信頼を口にした。
実際に、昨年は松本剛外野手が11年目にして初の首位打者と飛躍。今季は万波中正外野手が本塁打王を視界に捉える覚醒ぶりを見せている。小村社長も「この世界は結果ですので、この結果で満足するということは決してないですが、選手が育っているというのは間違いないので、今年の戦いは満足はしていないんですけど、選手は育ってきているので、来年以降の戦いに期待したいという風に思います」と口を揃えた。
エスコンフィールド元年。26日現在、観客動員数はソフトバンクに次ぐリーグ2位(182万3323人)と健闘している。勝利にはなかなかつながっていないが、楽しみな若手を見に来るファンが多いのも事実だろう。新庄監督も「本当にファンの皆さんに感謝して、来年はこの時期に優勝争いをしてとてつもない観客動員を集めますのでよろしくお願いします」と高らかに宣言した。
2024年度は、日本ハムがファイターズを保有して50周年の節目となる。「3年目、これは勝負ですね。やるしかない。やります。今の子ならやれます」と目をぎらつかせた指揮官。急成長を遂げる選手たちとともに、来季こそ勝利でファンに恩返しする。
(町田利衣 / Rie Machida)