“勝負の季節”に強い鈴木誠也 広島時代から月間3割連発…熾烈PO争いのキーマンに
9月は打率.376と絶好調、日本人右打者初の20本塁打に到達した鈴木
9月に入り、カブス・鈴木誠也外野手の打棒が勢いを増している。22日(日本時間23日)、本拠地で行われたロッキーズ戦で本塁打を放ち、日本人右打者として初となる20本の大台に到達。28日(同29日)のブレーブス戦(アトランタ)では今月11度目のマルチ安打を記録するなど、ワイルドカード争いを続けるチームに大きく貢献している。(成績は日本時間29日時点)
鈴木の9月の成績は目を見張るものがある。101打数38安打の打率.376、7本塁打、26打点。メジャー2年目で自己最高の月間成績をマークしている。復調の傾向は8月から見えていた。8月は打率.305、25安打、5本塁打、14打点。6月が打率.193、7月は打率.250に低迷し、一時は出場機会が減っていたことを考えると、結果で定位置を奪い返したと言えるだろう。
シーズン終盤の大事な時期に調子を上げてきた鈴木だが、“勝負の季節”に強い傾向は、広島時代から見てとれた。9月の月間成績を見ていくと、25年ぶりのリーグ優勝を果たした2016年は打率.377、26安打、7本塁打、13打点。2019年は打率.365、23安打、3本塁打、8打点。メジャー移籍前年の2021年は打率.381、13本塁打、22打点。さらにこの年は、9月以降19本塁打を放ち、9・10月度月間MVPに輝いている。
日本で不動の地位を確立し、憧れだった米国の地で待ち焦がれた勝負に挑んだ鈴木。ユニホームの色が赤から青に変わっても、広島時代と変わらない“勝負強さ”を大事な局面で発揮している。カブスは、ダイヤモンドバックス、マーリンズなどと熾烈なワイルドカード争いを演じている。シーズンは残り3試合。進化を続ける打撃で、連敗が続くチームに活力を与え、新たなステージを目指す。
(Full-Count編集部)