「バットは短く」プライドを捨てた剛腕対策 劇的勝利を呼んだ横浜の“執念”

タイブレークを制した横浜ナイン【写真:大利実】
タイブレークを制した横浜ナイン【写真:大利実】

秋季神奈川大会準決勝…横浜が東海大相模を延長戦激闘の末に下す

 高校野球の秋季神奈川大会準決勝が30日、サーティーフォー保土ケ谷球場で行われ、横浜と東海大相模との強豪校同士の対決は、延長タイブレークの激闘の末に横浜が10-9でサヨナラ勝ちを収めた。「できる限りのことをやる」(村田浩明監督)という横浜の“執念”が、劇的勝利に結びついた。

 東海大相模の1年生剛腕・福田拓翔投手のストレートを打つために、横浜は1番・阿部葉太外野手(1年)と4番・椎木卿五捕手(2年)以外は全員「バットを短く持つ」作戦に打って出た。「横浜のプライドを捨てた。選手たちも相模さんに勝ちたいという一心で行動してくれた」と指揮官。その成果は、2回に8番・奥村頼人投手(1年)が右中間へ適時三塁打を放つなど、序盤に5点を奪う攻撃につながった。

 それでも9回に5-5の同点に追いつかれ、延長10回に4点を勝ち越された。脳裏に浮かんだのは、9回に逆転3ランを打たれて敗れた今夏の慶応との県決勝。「あれがあったからこそ、乗り越えなければいけない部分はあった」と指揮官。土壇場の裏の攻撃で諦めずに畳み掛けて同点に追いつくと、最後は代走で途中出場の松本莉希内野手が中前へサヨナラ打。普段は心が優しいという2年生も「執念が自分の中でも出た」と言い、バット対策についても「監督を信じてやるだけ。選手間でも話し合って、全員が徹底したから勝てた」と胸を張った。

 ナイン全員が歓喜の涙を流した劇的勝利。「何が起こるかわからないのは夏に経験してきた。諦めずにやってくれたし、大会を通してチームが成長している」と村田監督。来春の選抜切符獲得に向けて、手応えをつかんでいた。

(Full-Count編集部)

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