写真を見せたら「泣き出した」 大谷翔平の価値は“無限大“…完全試合男が語る秘話

エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】
エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】

大谷翔平への注目度は「スポーツ界全体でも見たことない」

 エンゼルスの大谷翔平投手を巡って、米国の名物テレビコメンテーター、スティーブン・A・スミス氏の発言は大きな物議を醸した。スミス氏が米スポーツ局「ESPN」で「オオタニがチームにいてもエンゼルスは勝てなかったし、客席も埋められない。5億ドル(約750億円)の価値はない」と発言。これに黙っていなかったのが、アスレチックスOBでNBCスポーツの解説者、ダラス・ブレイデン氏だ。

「人々が夢見ることを、彼はフィールドで実現してきた。誰も成し遂げられなかったことを、やってのけた。私たちが見てきた中で、ショウヘイ・オオタニが最高の選手であるということを議論する余地もないね」

 大谷に5億ドルの価値はないとのスミス氏の発言に、ブレイデン氏は即座に反応。米ポットキャスト番組で「本物のスーパースターだ」などと発言した。スター性も大絶賛していたが、改めて凄さを実感する出来事があったという。自身の育ての親でもある、祖母ペギーさんの病院へ行った時のエピソードだ。

「看護師が日本の人だったんだけど、彼女は私が野球解説の仕事をしていることを知っていた。祖母が伝えたらしくてね。それで看護師との最初の質問は『ショウヘイ・オオタニを知っている?』だった。オオタニとの2ショット写真を見せたら、彼女は泣き出してしまったんだ」

「オオタニのようなスーパースターは見たことがないね。チームメート、対戦相手、ファンからの注目度はスポーツ界全体でも見たことがない。ビートルズくらいしか思い浮かばないよ」

大谷の価値は「ゼロが足りるか分からない」

 ブレイデン氏は2010年に史上19人目の完全試合を達成。同年に11勝を挙げるなどメジャー通算5年間で26勝を挙げた左腕にとって、二刀流は「どんな時でもMIP(Most Important Player)だ。2人分の役割を1人でこなしている。ロースター枠を1つしか必要としないし、クリーンアップとエースが同一人物だということは、計り知れないほどの価値がある」という。

 では、ブレイデン氏は、どれほどの価値と見ているのか。「ゼロが足りるか分からない。無限大を表す数字はある?」とし、こう続けた。

「先発と打者をやっているけど、リリーフを務める可能性だってあるかもしれない。獲得を望むチームと話し合わないといけない。でも、ショウヘイ・オオタニが健康であれば、5億ドル(約750億円)を貰えない理由はないね」

 アスレチックス専属の解説者のブレイデン氏。それでも、二刀流・大谷を語るその目は何より輝いていた。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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