大谷翔平、価値ある二刀流でのHR王 指揮官が確信した6月の“覚醒”「本当に怖かった」
ネビン監督「打者として成長した。ホームランにする球が増えた」
エンゼルスの大谷翔平投手は1日(日本時間2日)、日本選手初の本塁打王を獲得した。日本勢が打撃部門の主要タイトルを獲得したのは2004年に2度目の首位打者となったイチロー以来。フィル・ネビン監督は大谷の本塁打王を祝福すると同時に、凄さを語り尽くした。
「感心していることがたくさんあるけど、ピッチングもこなしている。シーズン終盤に多くの試合を欠場することになったが、リードが大きかったから追いつかれないと思った。これからも多くのことを成し遂げると思うけど、今シーズンの活躍の一員に加われて楽しかった。素晴らしい足跡を残したと思う」
2021年はリーグ3位の46本塁打を放ち、昨季は34本塁打でリーグ4位だった。そして、今季は再びシーズン40発に到達。指揮官は甘い球を確実に本塁打にする技術が進化のポイントだと語った。
「打者として成長したと思う。ホームランにする球が増えた。強打をして、ボールが宙を舞えば、フェンスを超える。しかも、インパクトの瞬間を捉えられるから、ほとんどの選手ほど強打をしなくてもいい」
「テキサスでの4連戦(6月12日から15日)で逆方向のホームランを4本放った。逆方向にも打ち始めたあの時、本当に怖い打者になると感じた。好不調はあるけど、不調は他の選手と比べると、ずっと短い。逆方向にもたくさん打てる。本当に怖かった」
チームリーダーとしても頼もしかったという。エンゼルス6年目でトラウトに次ぐ古株。29歳で、周囲を見渡せば、大谷より若い選手ばかりだ。
「選手たちはショウヘイのことを見ている。食べる姿だったり、試合への準備だったり、彼が練習の時にiPadを見ている姿も。全てを見ているんだ。だから、彼らはいい選手であり、いいチームメートでもある。クラブハウスでも(トラウトと大谷の)2人は価値のある選手だ。いいお手本を示してくれる」
昨季途中に三塁ベースコーチから監督代行に昇格。今季は監督として大谷を見てきた。熱血漢でもある指揮官が、一番思い出に残っているのは何だったのか。
「もしかしたら、昨日かもしれない。ショウヘイが人々に与える影響力が見てとれた。オーラがあったし、(スタンディング)オーベーションを受けていた。チケットは売り切れていなかったけど、多くの人が駆けつけた。彼の周りには活気がある。私たちは常にいい会話をできたし、人柄もいい。偉大な男だ」
ネビン監督は目を細めていた。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)