来季はNPB? MLB通算67発の韓国人大砲が“熱望”…オファーあれば「間違いなく検討」
エンゼルスからFAのフィリップスは2015年プレミア12で来日、鳴り物応援は「最高だった」
プロ野球は18日からセ・パ両リーグでクライマックスシリーズ・ファイナルステージが行われる。阪神と広島、オリックスとロッテは日本シリーズ進出をかけて争うが、すでに敗れた8球団はストーブリーグに突入。26日にはドラフト会議が行われるが、その次の注目ポイントは外国人補強か。
今季メジャーリーグを舞台に活躍した選手も日本球界入りを志す選手が数多くいる。まずはエンゼルスからFAとなったブレット・フィリップス外野手だ。今季は40試合出場で打率.175、3本塁打、6打点、出塁率.268。打撃に課題を残したが、前半戦は本塁打を打った選手に兜(かぶと)を被せる役を担った。妻は元日本ハム監督のトレイ・ヒルマン氏の娘で、フィリップスは義理の息子にあたり、日本のお茶の間でも“人気者”になった。
「日本が好きだ。妻は日本に5年間住んでいたし、食事に人、そしてリスペクトする文化が好きなんだ。私たちにとってクールな機会になるだろうし、オファーがあれば間違いなく検討する。もし、僕に興味があるチームがあったら、そのことを伝えておいてよ」
2015年のプレミア12では米国代表として来日。日本独特の鳴り物応援が忘れられないという。「最高だった。ファンは熱狂的で応援歌も気に入った。日本の野球は素晴らしい。選手も楽しめるからね。米国もそういう雰囲気になるといいよね」。食生活では寿司の大ファンになった。好きな寿司ネタはマグロで、「あまりに新鮮で、食べている最中に泳いでいってしまうかと思ったよ。それくらい新鮮だった」と声を弾ませた。
韓国出身スラッガーは「たこ焼き、プレミアム・モルツが気に入った」
韓国出身のスラッガーもNPB入りを検討している。パドレスの崔志萬(チェ・ジマン)内野手は、年俸465万ドル(約7億円)だった今季はパイレーツとパドレスでプレー。計39試合出場で打率.163、6本塁打、13打点にとどまったが、レイズ時代の2019年には19本塁打、63打点を記録。メジャー8年間で通算67本塁打、2桁本塁打を4度記録したパワーが持ち味だ。
「将来的にいつか日本でプレーしたいと思っているんだ。前に何件かオファーをもらったこともある。またオファーをもらうことになれば、間違いなく検討する。野球選手として、いろんな国でプレーすることは素晴らしいこと。前向きに検討するよ」
昨オフには「日本に行ったことがなかったから、どうしても行ってみたかった」と大阪を訪問。大阪名物に魅了されたという。「たこ焼き、ビールが好きだ。プレミアム・モルツが気に入った。(韓国の)CASSビール? ダメだ、ダメだ。日本食は気に入った。特にたこ焼きをね。毎朝起床後、レストランでたこ焼きを注文していた」と興奮気味に振り返った。
フィリップスは29歳で、崔志萬は32歳。まだまだ老け込む年齢ではない。日本愛で溢れる両選手がジャパニーズ・ドリームをつかむチャンスは訪れるのだろうか。
○著者プロフィール
小谷真弥(こたに・まさや)1983年、大阪・大阪狭山市生まれ。埼玉・東松山市育ち。明大明治高、明大野球部を経て2006年報知新聞社に入社。地方部(富山・石川)を経て2009年に運動第一部(野球部)へ異動。2009年ロッテ、2010、11年横浜、2012年から巨人、2015年から日本ハム、2017年からメジャー担当。2019年2月からFull-Count編集部に所属。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)