素早いターンで守備陣翻弄…驚異の粘り「12秒」 ドラ1の“悪あがき”が今季1位に
日ハムのドラ1・矢澤が1位、楽天・鈴木大が2位だった
面白いことを思いつくよね、“パテレ”のスタッフさん──。思わず感心してしまった今回のテーマは「挟殺プレーになった時に、どれだけタッチされずに塁間を右往左往したか」を計測した“逃走タイム”のランキング。約20年にわたり野球のタイムを計測してきた筆者でも、試したことすらなかったこのタイム。貴重な機会なので、プロ野球選手が本気で行う“鬼ごっこ”を堪能したい。
9秒38で5位にランクインしたプレーはロッテ・佐藤都志也捕手。藤原恭大外野手が空振り三振を喫した場面で一塁を飛び出し一、二塁間に挟まれた。最終的に西武・源田壮亮内野手-デビッド・マキノン内野手-外崎修汰内野手-源田と送球が往来してアウトになったが、距離を保ったことで、思いのほか時間が経過したようだ。
オリックス・紅林弘太郎内野手が9秒85で4位となった。一、三塁でスクイズを外され、三本間に立ち尽くしたが、一塁走者を三塁に到達させるために奮闘。3度ターンして目的を果たした。10秒15で3位はオリックス・中川圭太内野手。走者二塁で左前打を放ち、一、二塁間に挟まれる間に、三塁に進んでいた宗佑磨内野手が生還した。
11秒85で2位になったのは34歳の楽天・鈴木大地内野手だった。やはりスクイズを外されて三本間に挟まれたが、エッジの効いたキレッキレのターンを3連発。アウトにはなったが、動きに衰えがない姿を示した。1位に輝いたのは日本ハムのドラフト1位ルーキー・矢澤宏太投手。12秒46を記録した。素早いターンを披露したため、ソフトバンクの守備陣は追い込んでいるにもかかわらず、翻弄されているようにも見える空気感が面白い。
番外編では、うまく逃げおおせた2例を紹介する。ソフトバンク・柳田悠岐外野手はフェンス直撃の打球を放ち三塁を狙ったが、前の走者の牧原大成内野手が止まっていた。しかし、二塁への送球が逸れ、九死に一生を得た格好となった。また、オリックス・若月健矢捕手は三本間で挟まれたが、日本ハム・伊藤大海投手のタッチを伏せるようにかがみながらターンして紙一重でかいくぐり、ホームインした。