広島を待つ“苦手”左投手たち 劣勢でどう出る…専門家が分析したキーマン
伊藤将に今季2戦2敗、大竹にも7戦0勝6敗と抑え込まれている
■阪神 4ー1 広島(18日・甲子園)
広島は18日、阪神とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第1戦(甲子園)に1-4で敗れた。アドバンテージを含め0勝2敗となったが、巻き返すためのキーマンは誰か。現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏が分析した。
広島はこの日、阪神先発の右腕・村上頌樹投手に対し、スタメンに2番から8番まで左打者を7人ズラリと並べて臨んだ。しかし6回までに村上から奪った得点は、3番・小園海斗内野手の右翼フェンス直撃三塁打後の5番・秋山翔吾外野手の右犠飛による4回の1点のみ。攻略し切れなかった。
特に4年目・22歳の韮澤雄也内野手を出場選手登録し、即スタメン「8番・一塁」に抜擢。1軍戦出場は6月30日のヤクルト戦以来、1軍スタメンとなると6月11日のロッテ戦以来という“奇手”だったが、村上の前に2打席凡退した。今季村上との対戦はなく、昨年はウエスタン・リーグで顔を合わせていたが、野口氏は「昨年の村上と今年の村上とでは、全然違っていたと思います。私は一昨年、1軍で2試合に登板した村上を見ましたが、ストレートは最速でも140キロ前半。今季はコンスタントに140キロ後半をマークしていて、その分変化球も効果的に使えるようになっていますから」と指摘する。
19日の第2戦の阪神予告先発は、左腕の伊藤将司投手。20日の第3戦は同じく左腕で、レギュラーシーズンでチーム最多の12勝を挙げた大竹耕太郎投手の先発が予想される。となれば、広島のスタメンには右打者が増えるはずである。野口氏は「堂林(翔太内野手)、末包(昇大外野手)、上本(崇司内野手)、外国人選手2人(マット・デビッドソン内野手とライアン・マクブルーム内野手)のうち、何人かがスタメンに名を連ね、鍵を握る存在になると思います」と見る。
堂林はレギュラーシーズン最後の14試合全てで4番を務め、DeNAとのCSファーストステージ2試合も相手の先発がいずれも左腕(東克樹投手と今永昇太投手)で4番だったが、この日はベンチスタートだった。末包はファーストステージ第1戦で先発し、第2戦はスタメンから外れたものの、6回に今永から代打本塁打を放っている。
広島打線は今季、伊藤将には2戦2敗、対戦防御率1.17。大竹にも7戦0勝6敗、同0.57と抑え込まれている。新井貴浩監督は就任1年目にして、菊池涼介内野手や上本ら、決してスラッガータイプとは言えない選手を4番で起用するなど、何度も周囲をあっと言わせてきた。この崖っぷちで、どんな手を使ってくるか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)