韓国のイチローは「MLBで3割は難しい」 4年75億円と予想も…中日助っ人息子の下馬評

KBOキウムのイ・ジョンフ(写真はWBC韓国代表時)【写真:Getty Images】
KBOキウムのイ・ジョンフ(写真はWBC韓国代表時)【写真:Getty Images】

今オフにポスティングでメジャー移籍を目指す元中日イ・ジョンボム氏の息子イ・ジョンフ

 元中日のイ・ジョンボム氏を父に持つキウムのイ・ジョンフ外野手は今オフ、ポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を目指している。今季は怪我に泣かされ86試合の出場ながら打率.318。デビューした2017年から1度も打率3割を下回ったことはなく、韓国最強打者との呼び声も高いが、地元の韓国人記者は「メジャーで3割打つのは難しいのではないか」といった声も上がっている。

 今季は7月に左足首を骨折し、以降打席に立ったのは10日の本拠地サムスン戦の1打席のみだった。足の状態が不安視されるが、3月のWBCからイ・ジョンフを見ている韓国ネットメディアの男性記者は「万全の状態」だと話す。

「チームはすでにプレーオフを逃していて、イ・ジョンフ自身も試合に出ずに来季に集中していました。あの日の1打席はジャイアンツの(ピート・プティラ)GMが来ていたので、見てもらうために打席に立ったんだと思います」

 わずか7年で1181安打、通算打率.340の成績を残したヒットメーカー。しかし、今年は4月に打率1割台と苦戦した。同記者は3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でレッドソックス・吉田正尚外野手の影響を受けたと推測する。

「2人は日本と韓国で同じような成績でしたが、吉田はWBCで長打を連発していました。バットを交換するなど交流する中で、イ・ジョンフもパワー不足を感じていました。シーズンでは本塁打を打てるように試行錯誤していましたが、結果的に大不振。6月くらいには昨年のフォームに戻っていましたね」

 後半戦では安打を量産し3割を超えた一方で、本塁打は6本止まり。同記者はメジャーで活躍するにはパワー不足が足枷になるとみている。「メジャーではパワーがないと打率もなかなか残せない。大谷(翔平投手)は別ですけど、吉田や鈴木(誠也外野手)くらいの成績を残すことができればいいのではないでしょうか。守備はいいのでそこを評価して使う球団はあると思います」。打率2割8分から2割9分台と予想する。

 昨オフに敏腕代理人スコット・ボラス氏と契約を結んだ。同記者は契約について「キム・ハソン内野手(パドレス)の活躍が追い風になればいいんですが……。日本選手ほどの大きな契約は難しいと思います。打撃技術はあって、守備も悪くない。あとはパワー部分がどこまで評価されるか。4年5000万ドル(約75億円)くらいだと思います」と話す。“韓国のイチロー”は海を渡って下馬評を覆すことができるだろうか。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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