リーグ3連覇支えた新人の躍動 育成から開幕スタメン抜擢、ドラ1は涙のちプロ初勝利

オリックス・茶野篤政【写真:矢口亨】
オリックス・茶野篤政【写真:矢口亨】

育成4位で入団した茶野は開幕直前に支配下をつかみいきなりスタメン出場

 オリックスはリーグ3連覇を果たし、阪神との日本シリーズに駒を進めた。若手が台頭しているチームだが、昨年ドラフトで指名したルーキーたちは躍動したのだろうか。今季の働きを検証する。

 ドラフト1位・曽谷龍平投手のプロ初登板は4月26日の日本ハム戦。2奪三振含む3者凡退の好救援を見せた。しかし、初先発となった6月7日の巨人戦は4回2/3を7安打2失点(自責点1)で初黒星を喫し、翌週は立ち上がりに阪神打線の猛攻を受け連敗してしまう。ファームで登板を重ねながら、1軍でも8月と9月に計4試合で先発。9月25日の西武戦は3連続与四球がきっかけで逆転を許し、5回3失点での交代が告げられるとベンチで涙をにじませた。

 10月9日、チームのレギュラーシーズン最終戦に7度目の先発。相手は2位争い真っ只中のソフトバンクだったが、4回2死まで無安打に封じる立ち上がり。柳田悠岐外野手に初安打を許すも、続く近藤健介外野手は左飛に打ち取った。自己最長となる6回を投げ、1安打2四球5奪三振無失点。二塁を踏ませぬ好投で成長を示し、今季10登板目で待望のプロ初勝利を飾った。

 目覚ましい活躍を見せたのは育成4位で入団の茶野篤政外野手。オープン戦で10試合、打率.273のアピールが実り、開幕直前に支配下登録。NPB史上初となる育成1年目で開幕スタメンに抜てきされると、早速初安打・初盗塁を記録する。4月9日時点で打率.414、4月28日からは5度のマルチ安打を含む14試合連続安打と快音止まらず。6月1日には初本塁打を満塁弾で飾った。

 ところが、7月は打率.056と後半戦はファームで過ごす日も。来シーズンは年間通して1軍で戦い抜けるか。独立リーグ出身者の星、育成ドラフトの星として輝く姿に期待したい。

(「パ・リーグ インサイト」菊地綾子)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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