「3番を変えることを…」 沈黙した虎打線、専門家が注目する“岡田監督の決断”

阪神・森下翔太【写真:荒川祐史】
阪神・森下翔太【写真:荒川祐史】

第1戦はエース・山本を攻略し8-0の完勝も第2戦はまさかの0-8で完敗

■オリックス 8ー0 阪神(29日・京セラドーム)

 阪神は29日に京セラドームで行われたオリックスとの「SMBC日本シリーズ2023」第2戦に0-8で敗れた。これで1勝1敗のタイとなり、31日からは本拠地・甲子園で3連戦に挑む。新井氏宏昌氏は「3番を変えることを考える必要があるかもしれない」と、ルーキー・森下の状態を指摘した。

 第1戦でエース・山本を打ち砕いた猛虎打線が沈黙した。相手先発の宮城からチャンスを作るもあと1本が出ず4安打完封負け。8-0の大勝から一転しての0-8敗戦に新井氏は「打者の力みはなかったように見える。一回りはじっくり様子見。2、3打席目から崩していくような形だったが、逆に余裕を持たせてしまった」と、不発に終わった要因をあげた。

 1番・近本が4打数無安打に倒れるなど、得意の“速攻”が封じられた。「打者が一番難しいのはタイミング。宮城の投球フォームには独特の間があり、はまらなかった。特に近本は思い切り詰まったり、ストライクを見逃す場面もあった」。山本の“クイック投法”に比べ、足を上げるテンポ、リズムを微妙に変化させる宮城の投球に苦戦した。

 そのなかでも新井氏は3番・森下の打席内容に注目。第1戦では初回の第1打席で見逃し三振、第2戦は初回1死一塁の第1打席でフルカウントから右飛、4回無死一塁の第2打席では遊ゴロ併殺に倒れた。共に走者がスタートした状況で得点圏に進めることができなかった。

 今季はシーズン終盤から3番に定着し、打率こそ.237ながら思い切りの良い打撃を見せていた森下。どんな状況でもフルスイングできるのが魅力だが「この2試合は振り過ぎているように感じる。自分のスイングができるのは素晴らしいが、それがオーバースイングになる恐れもある。ただ、がむしゃらに行くのではなく、状況によって変えることも必要」と新井氏。

 これで森下は第1戦から9打数1安打、打率.111。近本、中野の出塁率が高いだけに3番打者の不振は、打線の流れを止めることにもなる。新井氏は第3戦からのキーマンを「ヒットは出たものの、まだ本調子ではない大山」としながらも「ほとんどオーダーを変えない岡田監督だが、短期決戦はそうは言っていられない。森下はもう少し楽な打順に下げてもいい」と、打線の繋がりをポイントに上げる。

 阪神としては甲子園に戻っての3連戦では地の利を生かし一気に流れをつかみたいところ。「最悪でも2勝1敗。打線全体をみれば、それほど悪くない。あとはどうやって繋がりを作るか」。普段通りの野球を貫く岡田監督の“決断”にも注目したい。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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