劇勝呼んだ阪神4番は球界最強の勝負強さ タイトルホルダーも叶わぬ衝撃数値「5.37」
阪神・大山は指標「WPA」で12球トップの数値を記録
阪神は1日、オリックスとの「SMBC日本シリーズ2023」第4戦(甲子園)に4-3で勝ち、対戦成績を2勝2敗のタイに戻した。3-3の9回1死満塁で大山悠輔内野手がサヨナラ打を放った。今季全試合で4番を務めた主砲は“球界最強”の勝負強さを誇る。
甲子園が揺れた。同点で迎えた9回裏1死満塁。大山がフルカウントからワゲスパックの148キロをとらえ、左前に運んだ。第3戦までは11打数2安打。この試合でも4打席凡退が続いていたが最後の最後で殊勲の一本を放った。
今季は143試合で打率.288、19本塁打、78打点。その数字以上にチームへの貢献度が高かった。セイバーメトリクスの指標の一つである「WPA」は、選手がどれだけ勝利期待値を増減させたかによって貢献度を評価するもので、重要な局面での結果がより高く評価される。この「WPA」で12球団トップにランクされているのが大山だ。
セイバーメトリクスの観点から野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、大山の「WPA」は5.37で1位。2位は最多安打と打点王を獲得したDeNA牧秀悟内野手で5.12だった。
これだけではなく、通常と比べて重要な局面でどれだけ働いたかを示す指標「Clutch」でも大山は規定打席到達者の中でリーグトップの1.42をマークしている。無類の勝負強さを誇る4番のバットに乗って2勝2敗のタイとした阪神。38年ぶり日本一へ、主砲が牽引する。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。