「資格なし」に阻まれた22年ぶり快挙 巨人22歳の無念…遊撃でも三塁でも“受賞者圧倒”
巨人の門脇誠は遊撃で65試合、三塁で48試合…71試合以上の資格を満たせず
次世代の名手として話題を集めている巨人の門脇誠内野手が、思わぬ壁に阻まれた。「第52回三井ゴールデン・グラブ賞」が10日に発表されたが、投票結果詳細を見ても遊撃手にも三塁手にも名前はなし。守備機会が遊撃と三塁に分かれたため、どちらも対象の試合数を満たせず、無念の“資格なし”となった。
投手は投球回数143回(=規定投球回)を満たすか登板47試合以上、野手は各ポジションで71試合以上に出場した選手が対象。事前に発表されている有資格選手の中から、5年以上のプロ野球取材歴を持つ新聞社やテレビ局などの記者による投票で決定する。門脇は遊撃で65試合、三塁で48試合、二塁で12試合だった。
では、もし資格を満たしていればどうだったのか。セイバーメトリクスの観点からプロ野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータをもとに、守備全般の貢献度を表す「UZR」で見てみる。遊撃では「6.4」、三塁では「11.7」の好成績。遊撃で受賞した木浪聖也内野手(阪神)は「0.6」、三塁の宮崎敏郎内野手(DeNA)は「-0.6」と、どちらでも上回っていた。
メジャーでは昨季からユーティリティ部門が新設され、複数ポジションを守る名手を救済する仕組みができた。新人でゴールデン・グラブ賞を受賞したのは、2001年の赤星憲広(阪神)が最後。このシステムがあれば22年ぶりの快挙も、濃厚だったかもしれない。DeNAの田中浩康コーチも「NPBもユーティリティ部門が新設されたら面白いかもしれませんね」とX(旧ツイッター)に投稿している。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。