西武、山川穂高の国内FA権行使を発表 ファンには謝罪「重い責任を持ち続けることの覚悟」
5月に強制性交等の疑いで書類送検され8月に不起訴処分
西武は14日、山川穂高内野手が国内フリーエージェント(FA)権を行使したことを発表した。今季、不祥事で無期限の公式試合出場停止処分を受け、わずか17試合の出場に終わったが、故障者特例が適用され同権利を取得していた。
山川は2013年ドラフト2位で西武に入団。2018、19、22年と3度の本塁打王を獲得した。今年は野球日本代表「侍ジャパン」に選出され、3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一に貢献。しかし、5月に強制性交等の疑いで書類送検されたことが報じられた。8月には不起訴処分となったが、事態を重く受け止めた球団が、9月4日に無期限の公式試合出場停止処分を科した。その後、処分の対象外となったフェニックス・リーグで実践復帰を果たしていた。
○山川のコメント
「この度、私が取得させて頂いたFA権の行使について、皆様にお伝えさせて頂きます。結論を先に申し上げますと、今回、FA宣言をさせて頂くことを決断致しました。
皆様に多大なる不快な気持ち、不信感を生んでしまった一連の出来事を通じて、ただ野球をするということだけではなく、関係する全てのことを、自分ひとりで考え、また、家族と考えさせて頂きました。
野球から離れることだけではなく、社会から離れることまでも考えました。それでも、私の心から消えずに残り続けたことは、野球がやりたい、野球をさせて頂きたいという答えでした。プロ野球選手として恥ずべきことですが、ここまでの気持ちになったのは、これまでの野球人生で初めてのことです。
この私の意志を受け入れて頂けることがあるならば、ライオンズに居続けることが、ファンの皆様、球団の皆様に対する感謝の形、謝罪の形、誠意であるということも考えています。
同時に、FA宣言が持つ、選手の権利として定められた制度という理解を超え、これまで聞くことがなかった声をお聞かせ頂くことで、自分自身を戒めることとなるのではないかとも考えました。
FA宣言により西武ライオンズ以外の球団の考えを聞いた上で、残留か移籍の判断をさせて頂くことは、新たな野球人生へと歩ませて頂きたいという、私の一方的な願い、自分本位な意思のように聞こえてしまうであろうことも、重々承知しております。
それでも、私が宣言させて頂くことで、何より、私自身のこれからの野球人生に対して、重い責任を持ち続けることの覚悟であることを、どうか少しでもご理解いただけたら幸いです。
結びになりますが、ご伝達が遅れましたことにつきまして、誠に申し訳ございませんでした。お待ちいただき、また、ご心配いただきましたこと、心より感謝申し上げます」