23歳が挑む「源田だったら」の“壁” 打率.412も…守備は「危なっかしくも見える」
野口寿浩氏が解説、小園は「外国人投手の速い球についていけるのが強み」
「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023」の決勝戦は19日に東京ドームで行われ、野球日本代表「侍ジャパン」が韓国に延長10回タイブレークの末4-3でサヨナラ勝ち。2017年の第1回大会に続く2連覇を達成した。大会MVPには、決勝戦でサヨナラ打を放った巨人・門脇誠内野手が選出されたが、遊撃手として全4試合にフル出場し、打率.412(17打数7安打)をマークした広島・小園海斗内野手に対する評価も非常に高い。
4試合全てでヒットを打った小園。決勝戦でも3回先頭で中前打を放ち、5回先頭での遊直も当たりは痛烈だった。
現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で活躍した野球評論家・野口寿浩氏は「今大会の小園はヒットはもちろん、凡打の内容もよかった。過去の侍ジャパンは、どちらかというと外国人投手の速い球に苦労するところがありましたが、小園は少々の速さならついていけるのが強みです」と指摘。2024年11月の「WBSCプレミア12」、2026年の次回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ向けて、「小園がフル代表に呼ばれる可能性がグッと上がったと思います」と予測する。
基本的に24歳以下か、プロ3年目までの若手だけで構成されていた今大会の侍ジャパンで、23歳の小園は圧倒的な存在感を放った。しかしフル代表となれば、今年3月のWBCで大会中に右手小指を骨折しながら優勝の立役者となった西武・源田壮亮内野手とポジションを争うことになる。野口氏は「源田は日本で一番堅実な遊撃手ですから、比べるのはかわいそうだとわかっていても、小園の守備が少し危なっかしくも見えてしいます」と述べる。
決勝戦では8回の守備で、キム・ジュウォンが放ったゴロを三遊間の深い位置で捕るも、一塁への送球がワンバウンドとなり内野安打にした。決してエラーになるようなプレーではなかったが、野口氏は「周囲はどうしても『源田だったらどうだったか……』という見方をしてしまう。そこは小園が今後乗り越えていくべき“壁”になると思います」と見ている。
もちろん、今季も6年連続6度目のゴールデン・グラブ賞を受賞した源田に対し、まだ実績で劣る小園には来年以降もさらなる進化が期待される。23歳の若さと打力を武器に躍進するか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)