自責わずか3、驚異的な後半戦…防御率5点台から飛躍 虎左腕が過ごした“覚醒”の2年目
阪神の日本一、アジチャンVにも貢献した桐敷拓馬
阪神の桐敷拓馬投手は2年目の今季、貴重な中継ぎ左腕として38年ぶりの日本一に大きく貢献した。「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023」でも、侍ジャパンの一員として存在感を発揮。2試合に登板して計2回を無失点だった。
新潟医療福祉大から2021年ドラフト3位で入団した桐敷は、昨季は7試合(3先発)に登板して0勝3敗、防御率5.02だった。開幕3戦目など、先発した3試合ではすべて負け投手となっていた。
今季は5月終盤から2試合に先発したが、7月後半以降は中継ぎに配置転換となり、ここから好投を続けた。8月は12試合に登板して5失点(自責3)で防御率1.76を記録すると、9回・10月は10試合で無失点だった。
日本シリーズ第4戦では失点したが、第7戦では9回に登板して2アウトを奪うなど、今季から就任した岡田彰布監督からの信頼は絶大だった。今季は27試合(2先発)で2勝0敗、14ホールド、防御率1.79を記録。配置転換が見事にハマり、飛躍のシーズンとなった。
チーム内の投手と比較すると登板数は少ないものの、被打率は.194。WHIPは0.99を記録した。セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、投じる各球種のクオリティも非常に高く、フォーシーム(直球)、ツーシーム、スライダー、スプリットの失点増減の合計はどれもプラス値を記録している。虎を支える若き左腕に、来季も注目だ。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。