「すごく魅力的」源田が驚いた若き“二遊間” それでも譲れぬ…日の丸へのこだわり
怪我の影響でキャリア最少の100試合出場も…6年連続でGG賞を獲得
西武・源田壮亮内野手が28日、埼玉・所沢市の球団事務所で契約更改交渉に臨み、来季年俸3億円でサインした。今季、国内フリーエージェント権を取得したが、昨年オフに年俸3億円、総額15億円プラス出来高の5年契約(金額は推定)を結んでおり、来季が2年目となる。
今年は野球日本代表「侍ジャパン」の一員として、3月に開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で3大会ぶりの優勝に貢献した。1次ラウンドの韓国戦(東京ドーム)での走塁で右手小指を骨折したが、痛みに耐えて世界一まで戦い抜いた姿は多くの国民の心を揺さぶった。
骨折の影響でレギュラーシーズンはキャリアで最も少ない100試合の出場にとどまり、今季は打率.257、本塁打なし、22打点だったが、遊撃手として6年連続でゴールデン・グラブ賞を獲得するなど存在感は際立った。「数字としては全く納得いかない年だったと思いますし、複数年の1年目というところで本来なら全部に出てもっと貢献しないといけないところで、出場できなかったので、申し訳なかったと思います」と振り返った。
それでも骨折した時点で球団側から「ゲンちゃんの後悔のないようにやってこい」と背中を押されたことを明かし、「(西武を)さらに好きになったし、なんとか貢献したい気持ちが強くなった。なんとか勝てるようにやっていきたいと話しました」と、不動の“ライオンズ愛”を示した。
アジアCSで躍動した若手は「落ち着きがあって、アグレッシブさもあった」
若い世代で構成された野球日本代表「侍ジャパン」が優勝した「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023」では門脇(巨人)、小園(広島)が遊撃手として躍動した。源田は「若い選手はすごい落ち着きがあって、でもアグレッシブさもあって、すごく魅力的だと思った」と評価しながらも「やっぱり譲りたくない思いもありますし、みんなで競い合うと全体のレベルも上がるし、ファンも盛り上がる。みんなで切磋琢磨したい」。東京五輪や「プレミア12」でも頂点を経験した立場として、若手の“壁”になることを誓った。
「侍ジャパンの空間で野球するのは自分にとってプラス。あのユニホームで野球したいんです」と笑みを浮かべた。まずは来年西武で活躍することが最優先。「年々、自分でも目標を考えた時にチームのことが先に出るようになってきて。自分のことよりチームが勝つように、みんなが良くなるように向いちゃっている。自分の課題はたくさんあるし、(今季.307だった)出塁率はずっと低いので何とかしたいと思っています」と力を込めた。「リーグ優勝して、日本一を目指してやっていきます」。これからも“たまらん守備”でファンを魅了していく。
(湯浅大 / Dai Yuasa)