GG賞表彰式の“主役”楽天辰己 源田も近本も驚愕…控室で語っていた「まだ仕込みある」

表彰式に出席した楽天・辰己涼介【写真:小林靖】
表彰式に出席した楽天・辰己涼介【写真:小林靖】

今年1月11日に会社経営者の鈴木セリーナさんと入籍

 今年度の「三井ゴールデン・グラブ賞」の表彰式が11月30日に都内のホテルで行われ、断トツで注目を集めたのが、3年連続3度目の受賞となった楽天・辰己涼介外野手だ。白のスーツの“新郎コーデ”で“人形同伴”。舞台裏の控室では、他の受賞者たちも興味津々だった。

「新郎として来させてもらいました。新婦を忘れてきてしまったのですが、代役を連れてきているので紹介したいと思います」。壇上で口上を述べた辰己が、ゴソゴソと上着の内ポケットをまさぐり、取り出したのはウエディングドレスを着た人形。他の受賞者たちは笑いを抑えるのに必死だった。

 辰己は今年1月に会社経営者の鈴木セリーナさんと入籍。「お互いに忙しくて、結婚式を挙げる時間がない。この素晴らしい式典をお借りして結婚式を挙げたいなと思い、奥さんを連れてきたかったのですが、さすがに無理なので、代行を連れてきたという経緯です」と説明した。

 パ・リーグの遊撃手として6年連続6度目の受賞を果たした西武・源田壮亮内野手は「(表彰式の開会前に)控室では周りのみんなで、『今年は新郎なのね』という話をしていたのですが、(辰己本人から)『まあまあまあまあ、これだけではないですよ。まだ仕込みがあるので』と言われて、楽しみにしていました」と明かし、「すごいですね。来年がさらに楽しみです」と舌を巻いた。人形のくだりは、他の受賞者にもサプライズだったそうだ。

 辰己の立命大時代の1学年先輩で、初受賞のDeNA・東克樹投手は「とんでもないですね。(大学時代と)変わっていなかったです。控室で会った時、びっくりしました。何してるんやと」と感心しきりで、「来年もおそらく受賞するでしょうから、僕も同じ賞を獲って、どういう格好をしてくるのか楽しみにしたいと思います」と付け加えた。

「金の上下」のはずが「急きょ新郎新婦」

 兵庫・社(やしろ)高時代の2学年先輩で、3年連続3度目の阪神・近本光司外野手も「辰己に負けないように頑張ります」と言及し、この日の主役の座を奪った格好だ。

 想像を絶する衣装で周囲の度肝を抜いた辰己だが、肝心の外野守備は鉄砲肩と俊足を活かした守備範囲の広さで安定感抜群。記者投票でパ・リーグ外野部門最多の226票を獲得し、全受賞者の中でも近本の287票、オリックス・山本由伸投手の232票に次ぐ3番目の得票数である。プレーの方も、もっともっと注目されていい選手だ。

 昨年は「三井ゴールデン・グラブ賞」と「東北楽天ゴールデンイーグルス」に引っ掛け、金色のジャケットで出席。「来年は上下ともゴールドで出たい」と予告していたが、実際にはその上を行った。

「結婚1年目ということで、急きょ新郎新婦で来させていただきましたが、来シーズンはお約束通り、金の上下で来られるように頑張りたいと思います」と語ったが、いやいや、そんな二番煎じに甘んじるとは思えない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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