DeNAが鷹戦力外・森唯斗を獲得した理由 実績だけじゃない…本部長が感銘受けた“男気”

DeNA入団会見に臨んだ森唯斗【写真:町田利衣】
DeNA入団会見に臨んだ森唯斗【写真:町田利衣】

背番号は慣れ親しんだ「38」に決定「もうひと花、ふた花咲かせたい」

 ソフトバンクを今季限りで戦力外となりDeNAに加入した森唯斗投手が1日、横浜市内の球団事務所で入団会見を行った。同席した萩原龍大チーム統括本部本部長は、森の“男気”に感銘。2018年にはセーブ王のタイトル獲得、4度のリーグ優勝を経験した31歳に「我々のチームにないものをもたらしてくれる」と大きな期待を寄せた。

 青色のスーツ、水色のネクタイで決め、森の心は早くも新天地に染まっていた。背番号は10年間慣れ親しんだ「38」。家族も見守る中で「一番最初に連絡をいただいて、よし横浜でやるぞという思いになりました。もうひと花、ふた花咲かせたいという思いです」と決意を新たにした。

 戦力外になったとはいえ、超一線級を走ってきた投手だ。2013年ドラフト2位でソフトバンクに入団。新人だった2014年から7年連続で50試合以上に登板した鉄腕で、2018年からは守護神として3年連続30セーブ以上をマークした。今季は先発として6試合の登板で2勝3敗、防御率4.60だった。

 萩原本部長は「ホークス時代から後輩に対する非常にいい影響をもっているということも聞いていましたし、チームの中で貴重な優勝経験者になる。そういった我々のチームの中で持っていないものをもたらしてくれる選手だというのも十分に期待しているところです」と頼もしそうに右腕を見つめた。これには森も「投手も野手もいいメンバーがそろっているので、何か噛み合えば絶対に優勝できるチームだと思っている。僕もそこのピースになれればいいなと思っています」と応じた。

 さらに萩原本部長が強調したポイントがある。「実際に我々が一番最初に声をかけたことは確かなんですけど、それですぐに決める男気というか、そういうものに我々は非常に感動しました」。森自身が「多少(話を)いただきました」と明かしたように、選択肢はあった。条件面など、検討要素もきっとあっただろう。それでも、いち早く手を差し伸べてくれたDeNAへの“恩”を貫き「自分の中では一番最初に声をかけてくれたところにすると決めていたので横浜さんにしました」と飛び込む覚悟を決め、その思いが揺らぐことはなかった。

 リーグ優勝4度の一方で、2位も4度経験している森は言う。「シーズンの後半がもの凄く大事と言われるが、最初から僕は大事だと思っていますし、一戦一戦やっていくしかないなとは思っています」。今季は3位に終わり、25年間遠ざかっている頂点へ――。森がDeNAに足りなかったピースを埋める。

(町田利衣 / Rie Machida)

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