幼少期の“本拠地凱旋”「不安もある」 西川、オリ移籍の裏側…胸に響いたGMの言葉

オリックス入団会見に臨んだ西川龍馬【写真:北野正樹】
オリックス入団会見に臨んだ西川龍馬【写真:北野正樹】

FA移籍の西川龍馬がオリックスへ「成績を残さないと」

 新天地に気持ちを込めた、決意表明だった。広島から国内FA権を行使してオリックスに入団した西川龍馬外野手が1日、大阪市内のホテルで入団会見を行った。プロ生活をスタートし、8年間在籍した“カープ愛”もまだ抜けてはおらず「これはもう、決めていたので」と赤色のネクタイを着用。会見の途中でカメラマンの携帯電話が鳴っても「目覚ましですか?」とジョークを炸裂させ、終始和やかな雰囲気で移籍会見を行った。

 4年総額12億円(金額は推定)の大型契約を結び、背番号は2022年まで吉田正尚(レッドソックス)が着用していた「7」に決定。敦賀気比高の1学年先輩である吉田の番号は「重たいなと(笑)。しっかり、成績を残さないといけないな思います」と表情を引き締めた。

 FA移籍で地元・大阪に凱旋。小学1年生の頃に野球を始めると、京セラドームにも通った。青色の座席に座り、スタンドから熱心に白球を追った頃は「中村紀さんや(タフィ)ローズ」が活躍。鋭いスイングに魅了された“ファン”の1人で「なかなか地元にプロ野球球団があることってないので、こうやって帰ってこられて、不安もありながら、やってやるぞという気持ちがあります」と充実の表情を浮かべた。

 2015年ドラフト5位で広島に入団し、8年が過ぎた。通算821試合に出場して、打率.299をマークする好打者は、オリックスの雰囲気を「意外とカープに似てるかなと思います」と表現。「選手同士、切磋琢磨しながら。仲の良いチームのイメージ」と言い、ナインと打ち解けるのも早そうだ。

胸に響いた「西川くんが必要」の言葉

 FA交渉の席では福良GMら球団幹部から「『西川くんが必要』だという風に言ってもらえた。そこが印象的です」と獲得の熱意に応えた。来季、4連覇を狙うチームには「不安の方が大きいんですけど、それをプレッシャーに感じてやりたい。ワクワクと不安もありながら、そこは楽しんで」と、初めてパ・リーグでプレーする自身を想像した。

「自分のイメージでは(パ・リーグは)パワーピッチャーが多いというイメージ。パワーピッチャーに対して、自分の今までやってきたことがどれだけ通用するのかなという風な思いで、パ・リーグに挑戦してみたいと思いました。打撃タイトルが獲れればなと。最多安打あたりを狙いたい。打率は上がり下がりするものなので。自分的には積み重ねていく方がいいかなと思います」

 中嶋監督の印象を問われると「(試合の)先の先を考えながら采配しているなと感じます。選手起用が非常に上手い方なのかなと」と笑顔で解答。日々オーダーを変更して臨む中嶋采配に「今までいろんな打順を打ってきたので、この打順を打ちたいというのはない。任された打順を打ちたいです」と心強い。

 目指す4連覇と日本一奪回へ、真紅の魂をたぎらせる。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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