「次は大谷翔平の会見で会おう」 エ軍GMは問いかけに沈黙…二刀流に迫る“Xデー”

エンゼルスからFAとなっている大谷翔平【写真:Getty Images】
エンゼルスからFAとなっている大谷翔平【写真:Getty Images】

ウインターミーティングが閉幕、大谷争奪戦は最終段階

 米テネシー州ナッシュビルで行われていたウインターミーティングは7日(日本時間8日)に閉幕した。目玉の大谷翔平投手(エンゼルスFA)の去就は決着せず。ドジャースを最有力に、ブルージェイズ、ジャイアンツ、エンゼルスが獲得候補に上がり、メジャー史上最高額、6億ドル(約880億円)とも言われる争奪戦は最終段階に入っているのは間違いない。

 エンゼルスのペリー・ミナシアンGMは早朝のロサンゼルスへの航空機で本拠地へ戻った。日本メディアを代表してエ軍が借りているスイートルームで囲み取材に参加させてもらったが、印象に残る出来事があった。6日(同7日)。この日がウインターミーティング期間中は最後の囲み取材だった。オレンジカウンティ・レジスター紙のジェフ・フレッチャー記者が部屋を退出する際に、ミナシアンGMに声をかけた。

「次はショウヘイ・オオタニの会見で会おうね」

 大谷争奪戦では大谷のネズ・バレロ代理人から獲得候補の球団へ緘口令が敷かれている。そして、大谷の去就決着は定かではない。エンゼルス番記者からの“ブラック・ジョーク”にミナシアンGMは沈黙を貫くしかなかった。

 エンゼルスは大谷との再契約を目指しているが、見通しは決して明るくない。マイク・トラウト、アンソニー・レンドンと高額年俸選手を抱え、来季年俸5000万ドル(約72億円)とも言われる大谷が残留すれば、3人で2024年は1億2345万ドル(約178億円)がかかる。2024年の贅沢税の課税ラインは2億3700万ドル(約341億円)で、3人だけでチーム予算の半分以上となる。

 チームの補強ポイントは山積み。アート・モレノオーナーが今季も守った贅沢税の課税ラインを“突破”しなければ、大谷が求める“勝てるチーム”など実現できない。むしろ、大谷が残留することで補強が進まず、結果的にチーム再建へ遠回りになるのではないか。

 2021年から二刀流でフル回転し、2021、2023年と2度の満票MVPを獲得。エンゼルスが二刀流・大谷の育ての親であることは間違いない。地元アナハイムのファンも残留を願う一方、大谷の17番ユニホームなど関連グッズのセールも始まっている。大谷はどのような決断を下すのだろうか。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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