巨大戦力ゆえの苦悩「転校もできない」 鷹右腕が改善訴え…深刻すぎる“移動問題”
推定年俸は「現状維持」の1.5億円…球団に伝えたスタッフの交通問題
実直な性格がにじみ出たような訴えだった。ソフトバンクの東浜巨投手が20日、PayPayドームで契約更改交渉に臨み「現状維持」でサインした。昨年の契約交渉の場では、1億円の大台を超えたことは明かした上で、詳細な年俸は非公表。1億5000万円程度だと見られる。球団との交渉の中で伝えたのは、裏方さんの交通面についての改善だった。
12球団で唯一、4軍まで存在するソフトバンク。1軍なら福岡市内のPayPayドームに通うが、ファームなら時間を要して筑後市内の「HAWKS ベースボールパーク筑後」まで移動しないといけない。新幹線や車で通う人、近くに自宅を構えるスタッフもいる。選手なら1軍を目指すことは共通した目的だが、スタッフなら“職場”はほぼ固定となるだけに「そこに対して、ちょっとでも交通費をその人たちに出せないかという話です」と自分なりの意見を球団に伝えた。
「結構トレーナーさんの方は配属が変わるので、来年からドームとか、いきなり2軍になった時に、交通の費用だとか。トレーナーさんが朝早くから来て、最後までいるので、手当とかももちろん出ているとは思うんですけど、小さいお子さんがいたりすると急に言われて転校できる問題でもないと思うので。かといって単身でも大変ですし」
プロの世界に飛び込んで11年、スタッフの方々に何度も助けてもらってきたからこそ、見える景色だった。選手だけではなく、裏方も含めた全員が仕事に集中できるように――。東浜の願いだ。
(竹村岳 / Gaku Takemura)