防御率リーグ最下位、楽天投手陣の課題は? 松井裕が抜け…則本の抑え転向プランも
レギュラーシーズン最終戦で敗れ4位に終わった楽天
楽天は今季、70勝71敗2分、勝率.496でパ・リーグ4位でシーズンを終えた。6月を終えて5連敗を3度経験するなどシーズン前半は投打が噛み合わず。7月5日から8連勝と調子を上げ、10月1日には2位に浮上もしたが、最終戦の10月10日、勝てばクライマックスシリーズ出場決定という大一番でロッテに0-5で完封負けを喫し、大逆転でのCS出場は惜しくもかなわなかった。今季の楽天の投手陣を回顧する。
チーム投手成績を見ると、防御率3.52は2年連続リーグワースト。また、921奪三振もリーグ最少、被安打1206と556失点、496自責点はリーグ最多と課題の残る数字が並ぶ。松井裕樹投手が2年連続3度目の最多セーブ賞を獲得したが、来季からパドレスへの移籍が正式に発表された。
チーム最多勝は9勝(5敗)の岸孝之投手だった。4月は3戦未勝利だったが、5月2日のロッテ戦で8回1失点で初勝利。6月から7月にかけて自身3連勝と好投を続け、8月11日のオリックス戦では被安打5、奪三振6で自身2年ぶりの完封勝利を収めた。9月は4連勝とラストスパートをかけ、CS出場を目指すチームを引っ張った。また、則本昂大投手はチーム唯一の規定投球回に到達して8勝8敗、防御率2.61の成績を収めていた。
奮闘したのはベテランだけではない。ドラフト1位・荘司康誠投手は4月22日、本拠地での日本ハム戦でプロ初登板初先発。デビュー戦からなかなか白星に恵まれなかったが、プロ9登板目となった7月5日、オリックス戦で、6回8奪三振無失点で待望の初勝利を手にした。6月4日以降は13試合で負けなしの5連勝と登板を重ねながら成長。19試合5勝3敗、防御率3.36で終えた。
松井裕がパドレスへ移籍…則本の抑え転向プランも
ブルペンではプロ5年目・鈴木翔天投手が自身最多61試合に登板し22ホールド、防御率3.30と健闘。ドラフト3位の渡辺翔太投手と高卒3年目の内星龍投手も光った。渡辺翔はパームボールを武器に51試合、防御率2.40。リリーフながら8勝(3敗)を挙げ、チームトップの25ホールドを記録した。内は今季、自身初の開幕1軍入り。4月9日のロッテ戦でプロ初登板し、3回無失点の好救援を見せた。5月には8試合連続無失点するなど中継ぎで奮闘。シーズンを1軍で完走し53試合、4勝2敗7ホールド、防御率2.28と飛躍のシーズンになった。
松井裕のパドレスへの移籍が決まり、通算10シーズンで236セーブという偉大な守護神の穴をどのように埋めるかが喫緊の課題。抑え候補として渡辺翔や、則本の転向の可能性も上がっている。また、成長株の内は中継ぎから先発へ転向する見込みだ。
2024シーズンより指揮を執る今江敏晃監督は、則本を来季の投手キャプテンに任命。新たな陣容でスタートする楽天投手陣を見守っていきたい。
(「パ・リーグ インサイト」菊地綾子)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)