大谷、周東に学ぶ“パワーアップ” 目の当たりにした衝撃技術…外崎修汰が挑む高い壁

契約更改に臨んだ西武・外崎修汰【写真:湯浅大】
契約更改に臨んだ西武・外崎修汰【写真:湯浅大】

打撃7部門でチームトップ、渡辺GMから「お褒めの言葉ばかりをいただきました」

 西武・外崎修汰内野手の2023年シーズンは、136試合の出場で131安打、54打点、56四球、26盗塁、60得点、4犠飛と7部門でチーム最多の成績だった。リーグ5位のチーム打率.233、最少の435得点と攻撃力不足に泣いた打線において、奮闘する姿が目立った。

 昨年オフに4年契約を結んだ1年目。12月5日の契約更改で現状維持の来季年俸1億6000万円(金額は推定)でサインを終えると、渡辺久信GMから「大きな怪我なく1軍に帯同して先発で出続けてくれたのは助かった」と伝えられたことを明かし、「お褒めの言葉ばかりをいただきました」と笑みを浮かべた。

 昨年の秋から打撃の試行錯誤を続けてきたことが「いい形で開幕スタートから数字で残ってくれたかなと思います。色々あると思いますけどタイミングとスイング軌道ですかね」と分析。このオフには「体をデカくする」と目標を語った。

 そして来季は、リーグ3位だった盗塁にこだわっていくという。目下の“壁”となるのは、36盗塁で3年ぶり2度目の盗塁王に輝いたソフトバンクの周東佑京内野手だろう。外崎も「周東君は急激にググッと数字を伸ばしてくる。そうなると追いつけないというか、きつい部分はある。タイトルを獲れるように序盤から走っていけたら。獲れるなら獲りたいイメージがある」と、球界屈指の快足を最大のライバルに“指名”した。

 対戦時にも二塁手として目の前を高速で駆け抜けていく周東のスピードを何度も見てきた。その盗塁術については「スライディングがうまいですね。スピードが落ちない。飛ぶというかスライディングでも加速している感じ。あとは身体能力、足の速さがずば抜けている感じですかね」と独自の観点で説明した。

契約更改に臨んだ西武・外崎修汰【写真:湯浅大】
契約更改に臨んだ西武・外崎修汰【写真:湯浅大】

オフはパワーアップを目指す「スピード落とさないくらいで筋力を増やしたい」

 走攻守の三拍子が揃い、2017年から4年連続で20盗塁以上。2021、2022年はやや数字を落としたものの、今季に“復活”。盗塁数が落ちた選手が再び数字を伸ばすことは難しいとされるが、「盗塁は(疲労が)足にくるので。怪我をしたら怖さもある。人によっては企画数が減るのでは」と話す。外崎自身はシーズンを通してコンディションもよく、積極的に仕掛けることでキャリアハイの盗塁を成功させた。

 今オフのパワーアップに伴う懸念材料についても「スピード落とさないくらいで筋力を増やしたい。あくまで聞いた話ですが、大谷選手も筋トレをやっていると」。ドジャースへ移籍した大谷翔平投手も筋力トレーニングで体を大きくしつつも、ここ3年で2度の20盗塁をマークしていることも後押しする。

 体を大きくするメリットには「基礎的な飛距離、スピード、パワーが上がると思う」と語る。その上で自身初の30盗塁を目標に掲げた。「まずは個人としてはケガをしない。全試合出場したいというのがありますね。チームとしてはリーグ優勝ですね。日本一を獲りたい気持ちがあります」。来季から選手会長を務める31歳は、2024年もチームを引っ張る。

○著者プロフィール
湯浅大(ゆあさ・だい)
東京都生まれ。成城高、法大を経て1997年に産経新聞社に入社。サンケイスポーツでサッカー、野球などを担当。主にMLB、DeNA、西武などを取材した。2023年11月からFull-Count編集部に所属。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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