元ドラ1に立ちはだかる“壁” 35歳守護神は正念場…西武の積極補強で煽り受ける選手

西武・渡部健人(左)と増田達至【写真:荒川祐史】
西武・渡部健人(左)と増田達至【写真:荒川祐史】

アギラーはメジャー通算114発、アブレイユは2023年にヤ軍で45登板

 2023年は5位に終わった西武。このオフは山川穂高内野手がFA権を行使してソフトバンクに移籍したが、6人の外国人選手(育成2人)、現役ドラフトで中村祐太投手、交換トレードでヤクルトから元山飛優内野手を獲得した他、楽天から戦力外となった炭谷銀仁朗捕手が6年ぶりに復帰する。積極補強により、チーム内の勢力図も変わりそうだ。

 5位からの再起を図る2024年シーズンに向け、渡辺久信GMは「タイミングよく行けた。うちの渉外担当、国際部に感謝しています。いい仕事をしてくれました」とチームのニーズに即した実力者であると太鼓判を押す。

 中でも注目はメジャー通算795試合出場、114本塁打402打点の実績を持つヘスス・アギラー内野手だ。身長190センチ、体重125キロの33歳は4番候補の1人で、主に一塁でプレーしていた。この加入に心中穏やかでないのは渡部健人内野手だろう。

 2023年の一塁手はデビッド・マキノン内野手が80試合で先発し、渡部は43試合。マキノンは退団したが、今度はアギラーが大きな“壁”となりそうだ。2020年ドラフトで桐蔭横浜大から1位入団。体重115キロで中村剛也内野手、山川の系譜を継ぐ巨漢スラッガーとして期待されるが、まだ覚醒には至っていない。真価を問われる4年目となりそうだ。

 同じく新加入のアルバート・アブレイユ投手は最速101.3マイル(約163.0キロ)を誇る28歳。2023年にヤンキースで45試合に登板して2勝2敗、防御率4.73をマークした。メジャー通算では108試合登板で6勝5敗1セーブ、防御率4.58の成績を残している。渡辺GMは「後ろで投げることを期待しています。経験も豊富なため勝ちゲームで投げてほしいです」とコメント。抑え候補であることを明かした。

 西武の守護神といえば通算194セーブをマークしている35歳の増田達至投手が君臨。しかし、近年は思い描く成績を残せていない。2021年は8セーブで、2022年は31セーブを記録したが、2023年は19セーブも防御率5.45だった。さらに豆田泰志投手や田村伊知郎投手らもクローザーへの意欲を見せており、増田自身も「チーム内で競走して勝たないと自分のポジションはない」と正念場を自覚している。

 即戦力として見込まれる大型助っ人が、チームに激烈な競争を生み出すことになりそうだ。

(Full-Count編集部)

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