現役ドラフトから1年で引退 予期せぬ盟友との“再会”…待っていたサプライズ
現役引退の渡邉大樹…ヤクルト同期入団の廣岡大志に「負けたくない気持ち」
同期入団の友情が実った1年だった。オリックスから戦力外通告を受け、現役引退を決意した渡邉大樹外野手は、2022年に行われた第1回現役ドラフトでヤクルトから移籍した。2023年2月の春季宮崎キャンプからチームに合流し、その3か月後には“盟友”と再び同じユニホームを着ることになった。
「僕がオリックスに入って、少ししたら大志も来ることになって『え……?』みたいな。(トレードを聞いた時は)めちゃくちゃ嬉しかったですね」
2015年ドラフトでヤクルトから2位と6位指名を受け、同期入団だった廣岡大志内野手が、5月17日に巨人からトレードでオリックスにやってきた。ヤクルト在籍時の2021年3月に廣岡が巨人にトレード移籍した際は「ジャイアンツに行っちゃう時、本当に寂しかった。トレードは急いで行かないといけないので、全然お見送りもできなかったんです」としみじみと振り返った。
高卒でプロ入りし、出会った頃を懐かしむ。「僕よりも常に大志の方が活躍していました。嬉しさもあり、悔しさもありました。色々と話せる同級生ではあるんですけど。負けたくない気持ちがありました」。現役引退を決めた今オフ、2人で食事に出掛けた。
同期に伝えた引退…待っていたまさかのサプライズ
バットを置くと決めたことを話すと、サプライズが待っていた。廣岡が用意していたのは、オリジナルのスニーカーだった。「(刺繍で)背番号が入っているんですけど、オシャレだなと。こんなオシャレなこと、大志ができるんだ……って感じでビックリしましたね。これまでサプライズは1回もなかったので(笑)」。同僚が気遣いのできる一面も知った。
「僕は大志がいなかったら、こんなに頑張れてないな……と」
嬉しさがグッと込み上げ、言葉が出てこなかった。笑顔で“してやったり”の廣岡を見ると「天然ですよね(笑)可愛いところはいっぱいありますよ」と微笑んだ。
オリックスへの在籍は1年だったが、濃い時間だった。「オリックスに来て、すぐに後輩たちが慕ってくれて。1年だけだったんですけど、凄く仲良くしてくれて感謝しかないです」。大阪を離れる直前に、ファンへメッセージを残した。
「僕が大志をめちゃくちゃ応援しているように、この記事を見てくださった皆さんにも大志を応援してもらいたいですね」
夢の続きは、縁深き友に託した。