借金37の中日2軍…勝てずとも“覚醒間近”の若手ズラリ 苦境の10年救う「プロスペクト」
ブレーク候補を独自選出…近年のドラ1&“若手卒業間近”の大砲も
2年連続の最下位に沈んだ中日は、ファームでも苦しんだ。2023年シーズン、片岡篤史監督(2024年は1軍ヘッドコーチ)が率いる2軍は33勝70敗でウエスタン・リーグ最下位。勝敗よりも育成優先の場とはいえ、あまりにも勝てなかった。ただ、選手個人に目を移すと、生きのいい若手は多い。プロスペクトの「トップ5」を“独断”で選出してみた。
5位は石垣雅海内野手。高卒8年目を迎え、若手枠からの卒業も近い。2023年は1軍22試合で打率.087と振るわなかったが、2軍では66試合で打率.284、4本塁打、26打点をマーク。チームでは高卒7年目に初めて規定打席に到達した高橋周平内野手のケースもあるだけに、ほしいのは覚醒のきっかけ。背水の立場でもあり、紛れもなく勝負の一年となる。
4位には、ブライト健太外野手を挙げたい。2021年のドラフト1位で、2年目の2023年は33試合で打率.284、0本塁打、4打点にとどまった。ただ、シーズン終盤には存在感も見せただけに、3年目につなげたい。3位は、2022年ドラフト1位の仲地礼亜投手。ルーキーイヤーは9先発で2勝5敗、防御率4.98。このオフは、チームの右の柱・柳裕也投手に弟子入り。端正なマスクですでに人気は高く、結果次第では一気にスターダムを駆け上がってもおかしくない。成功例の多い“ドラ1投手”の仲間入りを果たせるか。
1位でもおかしくない2位は、24歳の鵜飼航丞外野手。2年目の2023年は1軍41試合で打率.143、3本塁打、5打点と寂しかったが、シーズン後に覚醒の気配を漂わせた。11月下旬から12月にかけて台湾で開催された「2023アジア・ウインター・ベースボール・リーグ」で、4発を放って本塁打王を獲得。最終的に16試合で打率.280、リーグ2位の12打点、OPS.970と気を吐いた。外野には同じ大砲タイプの細川成也外野手がいるが、まずは脅かす存在になりたい。
そして1位は、やはり根尾昂投手を推したい。毎年大きくなる期待を背負い、はや6年目を迎えた。2023年は春季キャンプから制球難に苦しんだが、徐々に克服して9月には1軍初先発にたどり着いた。体はビルドアップされ、2024年にまず目指すのはプロ初勝利。小笠原慎之介、柳裕也、高橋宏斗、涌井秀章ら強力先発陣に割って入ることができるか。
立浪和義監督にとっては、勝負の3年目。このオフは中田翔内野手ら積極的に野手陣を補強し、戦力は整ってきた。10年以上続く低迷期からの脱却へ、残るピースのひとつが若手の台頭。生き生きと輝いた分だけ、強竜復活の足音は近づいてくる。