戦力外の“乱獲”が誘発…中日の聖域なき玉突き 4.8億円も2.5億円も控え現実味
一塁で外野で二遊間で…立浪監督の手腕の見せどころ
2年連続の最下位に沈んだ中日で、近年ではあり得なかった大激戦が繰り広げられそうだ。背水の2024年シーズンに向け、オフに積極的な補強を実施。歴史的な貧打を解消すべく、立浪和義監督が勝負手を打った。複数のポジションで、タブーなき競争が待っている。
最大の注目は、一塁。中田翔が定位置の大本命なのは揺るがない。この煽りを受け、ダヤン・ビシエドが押し出される。2022年から3年1000万ドル(約14億3000万円、金額は推定)とみられる契約を結んでいる助っ人だが、2023年は軒並み来日ワーストの成績に終わった。“年俸4.8億円のベンチ要員”になる可能性は十分にある。
外野では、2022年に最多安打、2023年にかけて2年連続ベストナインに輝いた岡林勇希は中堅でほぼ確定。2023年に現役ドラフトで加入し、チームトップの24本塁打と覚醒した細川成也も両翼で考えたいところ。残り1枠は、推定年俸2億5000万円で2年契約の2年目を迎えるベテランの大島洋平か、ソフトバンク戦力外から再起を目指す上林誠知か。新助っ人のアレックス・ディッカーソンや3年目を迎えるブライト健太らの名前も上がる。
他球団を戦力外となった“掘り出し物”を大勢獲得した分、チーム内競争は活発になる。前阪神の山本泰寛が加入したことで、ほぼ白紙状態の二遊間は熾烈を極める。遊撃は、2023年後半から存在感を見せたオルランド・カリステや守備力抜群の龍空が中心。二塁は2年目の村松開人や右肩脱臼の手術から復帰を目指す田中幹也、2023年の開幕スタメンを担った福永裕基らで大渋滞している。さらに、ここにルーキーも加わってくる。
ここ数年は生え抜きの野手が育たず、選手層の薄さを露呈してきた。大島やビシエドの座を脅かす存在すらいない状況で、分厚い投手陣を揃えながらチームのチグハグは解消されなかった。競争激化は、チームにとっては嬉しい悲鳴。指揮官はどんな英断を下すのか、手腕の見せどころとなる。
(Full-Count編集部)