“データ信仰”にうんざり「試合中は聞きたくない」 イチロー氏に続き…CY賞右腕も危惧
ブルワーズのバーンズ「開幕後はデータ分析に近寄らないようにしている」
2021年にサイ・ヤング賞に輝いたブルワーズのコービン・バーンズ投手が、メジャーリーグで一般的になっているデータ分析について警鐘を鳴らした。ポッドキャスト番組「Foul Territory」に出演。シーズン中は数字をほとんど見ていないと明かし、トラックマンなどの機器との向き合い方を紹介している。
司会者で元メジャー捕手のエリック・クラッツ氏から最新の機器について聞かれると、自身の考えを明かした。「開幕後はブルペンでトラックマンは使わない。数字も回転率も追いかけたくないんだ。登板後はトラックマンの数字を見る。自分が取り組むべき点を見るためにね」と使う場面の違いについて語る。
「そこなんだよ。若手によく言うのは、トラックマンやラプソードなどのデータ分析をブルペンでの投球練習で利用するときに気を付けなければいけないってね。試合時とはアドレナリンの出方も強度も違う中で、例えばスライダーの形や一定の回転率を追い求めてブルペンで変なことをし始めても、それと同じことが試合でできることにはならない」
一方、オフシーズンの終盤からスプリングトレーニングにかけての準備期間には、データ分析の助けも大いに借りているという。「自分の現状を知るためだったり、メカニクスを変えるべきかを知るためにね。開幕後は2、3登板に一度(データを)見る程度だ」と、時期によっても使い方を変えているようだ。
さらに、試合中のデータを元に投手交代などが行われる時代になってきていることにも言及。「もうそういうところまで来ていると思う。自分の場合は試合中はトラックマンや球の形の話は聞きたくない。アウトを取れているならこのまま行こう、取れていないなら配球が間違っているのだから修正する、と投手コーチにに伝えている。僕は開幕後はデータ分析に近寄らないようにしているが、球界で(データ分析が)ますます広まっていることは確かだ」と熱弁している。
メジャーリーグと近年のビッグデータに関して、イチロー氏が2019年の引退会見で語った内容が話題となったこともある。「2001年に僕がアメリカに来てから、この2019年の現在の野球は全く別の違う野球になりました。まぁ、頭を使わなくてもできてしまう野球になりつつあるような……」。超一流の選手たちはそれぞれが自分なりにうまく向き合っているようだ。
(Full-Count編集部)