大谷翔平の1036億円契約で広がる“格差社会” 貧乏球団オーナーが悲鳴「見逃せない」

ドジャース・大谷翔平(中央)【写真:ロイター】
ドジャース・大谷翔平(中央)【写真:ロイター】

パイレーツのナッティングオーナー「差がもっと開いた」

 今オフ最大の目玉だった大谷翔平投手は、ドジャースと10年7億ドル(約1036億円)のメガ契約を結び、驚きを呼んだ。パイレーツの地元紙「ピッツバーグ・ポストガゼット」によれば、パイレーツのボブ・ナッティングオーナー、はMLBの「経済改革」の必要性を訴えたという。

「オオタニに非があるわけではない」としつつ、「既にパイレーツとドジャースの差はとてつもなかったのに、大注目を集めた日本人が(ドジャースと)契約したことで差がもっと開いた」と主張。米データサイト「コッツ・ベースボールコントラクツ」によれば、パイレーツの2023年の総年俸ランキングは28位だった。

 記事によれば、大谷の契約が球界にいいことか悪いことか、という問いに、ナッティングオーナは直接的に他球団の選手やオーナーを名指しにすることはなかったが「ドジャースとパイレーツの格差は見逃せない」と言及した。

「オオタニのせいでも、そうでなくても、ナッティングオーナーは経済改革を望んでいると言及した。2021年3月に行ったインタビューでは、サラリーキャップの導入、総年俸の上限を設定、分配率の引き上げなどを提案していた」

 20日(日本時間21日)にドミニカ共和国にあるパイレーツのアカデミーで取材に応じたナッティングオーナーは「経済改革の必要性が浮き彫りになった。(金持ち球団との)格差は大きなハンデで、パイレーツにとってそれは大きな壁だ」とコメントしている。

 現行のCBA(包括的労働協約)が2026年12月に失効するまで、少なくても格差が縮まることはない。また、パイレーツはAT&T社との放映権の契約が満了したことも大きな打撃となる。ナッティングオーナーは、ロブ・マンフレッドコミッショナーは経済改革の必要性について「十分に認識している。彼らは(この問題の解決に向けて)一生懸命に取り組んでいる」と代弁し「全チームが戦力の公平性を心配している。私たちの立場上、他のチームより(この問題を)心配していると思うけど、業界も(格差解消に向けて)長い道のりが待っていることを理解していると思う」と語った。

(Full-Count編集部)

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