“新球団”の主将は元ハム助っ人 故郷で目指す復活「経験を伝えていく」

台鋼ホークスの初代主将を務める王柏融(右)【写真提供:CPBL】
台鋼ホークスの初代主将を務める王柏融(右)【写真提供:CPBL】

台湾プロ野球で1軍参入の台鋼…王柏融が初代首相を務める

 台湾プロ野球は2024年、16年ぶりに1軍6球団体制が復活する。昨季、2軍チャンピオンシップとアジアウインターリーグを制覇し、今季から1軍公式戦に参入する「第6の球団」台鋼ホークスの動きについて、前後半の2回にわけて紹介する。前半は、1軍参入記念セレモニーとキャンプ入りの話題だ。

 1月17日、台鋼ホークスのホームタウン高雄市で開催された1軍参入記念セレモニーで、球団誕生の功労者、CPBLの蔡其昌コミッショナーは「高雄の野球ファンのみなさん、ホークスファンのみなさん、準備はいいですか?」と問いかけた。そして「味全ドラゴンズは1軍参入3年目で台湾王者に輝きました。台鋼ホークスは2年でいけますか?」と語ると、大きな拍手が起きた。

 この日のセレモニーには250人のファンのほか、全面バックアップを明言する高雄市の陳其邁市長、他競技のプロチームの選手を含む台鋼グループ関係者、高雄の政財界関係者らも多数出席した。主役となるホークスの面々も、兵役中の選手を除く全コーチ、選手が参加。このオフに日本ハムを退団し、昨年12月13日に入団した王柏融外野手らがモデルとなり、ホーム、ビジターの新ユニホームや練習着などが披露され、1、2軍のコーチ陣、選手が登壇した。

 昨季の暫定ユニホームは、ホームが白地にチームカラーのダークグリーンの縁取り、ビジターがダークグリーン地にゴールドの縁取りで、「T」をかたどったロゴが右胸に描かれたシンプルなものだった。新たなユニホームは、ホームは「HAWKS」、ビジターは「TSG HAWKS」の文字が胸に書かれた。ダークグリーンはより濃く光沢のある色合いとなり両肩口に使われ、脇や袖口のゴールドのラインも太くなり、高級感が増した。

 この日、紹介されたのは選手たちだけではない。ステージでは、男性応援団長、希本(Sipun)がリードする中、マスコットの「TAKAO」が初登場。コミカルな動きで笑いを誘い、韓国人の大物チア、アン・ジヒョンが率いるチアリーダー「Wing Stars」はダンスパフォーマンスで会場を盛り上げた。

 観覧希望のファン向け限定200席のチケットはわずか1分で売り切れ。急遽50席追加となるなどファンの反響も大きかった。セレモニー翌日の1月18日、台鋼ホークスは、高雄国慶球場で春季キャンプをスタート。洪一中監督は、チームの初代主将に、モンキーズ時代の教え子である王柏融を指名した。

 王柏融が台湾球界へ復帰した際には、再び一緒に戦いたいと考えていたという洪一中監督は「良い時も、そうでない時も、いずれの経験も人間を成長させるものだ。台湾プロ野球で前人未到の大活躍をみせ、華々しくNPBに挑戦したが、日本では異なるレベルの競争に直面した。日本でそうした得難い経験をしたことで、心持ち、考え方がより成長した。彼に任せれば安心だと思っている」と説明した。

 王柏融も「初代主将という大役を任せられて光栄だ。自分が学んできた事や経験を、若い選手たちに伝えていきたい」と決意表明。新天地でどんなパフォーマンスを見せるか、注目される。

(「パ・リーグ インサイト」駒田英)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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