キャンプ地で見かける“黒ハット”の真相 中嶋聡監督は「本当に視野が広い」

中嶋聡監督がプレゼントしたハット【写真:真柴健】
中嶋聡監督がプレゼントしたハット【写真:真柴健】

オリックス・中嶋聡監督がスタッフ全員にプレゼント

 指揮官の粋なサプライズが、チーム全体をグッと引き締める。オリックスの中嶋聡監督が、宮崎春季キャンプの中盤に、裏方スタッフ全員にニューエラ社の黒色ハット帽子をプレゼントした。チーム関係者は早速、ハット帽子を被り、一体感が増している。

 大勢のファンが集まる宮崎・清武に笑顔が増えた。広報、トレーナー、通訳らのスタッフは中嶋監督からプレゼントされた帽子を着用して業務に励んでいる。

 プレゼントされた関係者は「僕たち裏方にまで、監督は気を遣ってくださる。本当に視野が広い監督さんだと思います」と喜んだ。お気に入りの様子で、プレゼントされた日からは毎日着用している。

 4連覇を狙う今季、キャンプ地に足を運ぶファンが増えた。中嶋監督も「すごかったですね。本当に」と集ったファンの数に仰天。「みなさん(スタッフが)本当に頑張っていらっしゃるんでね」とチームスタッフに頭を下げた。

 AグループとBグループの球場が隣接しているため、指揮官も選手の視察に歩を止めない。「(自分は)走り回っているんで。あまりサインがなかなかできないですけど(ファンが)多いなと思いながら……。恥ずかしいですけどね。意外と。走り回ってるの恥ずかしいですよ。何してるの、この人? みたいな感じで(笑)。一応仕事してんねんけど……みたいな」。低迷していたチームを救った指揮官は照れた。

 施設内の移動に大忙しの中嶋監督も、時間のあるタイミングでペンを走らせる。「サインしている間にダダッと(ファンが)集まっちゃったら『こっち(の球場)が見たい』とか、いろんなところで見たい選手がいっぱいいるので、なかなか難しいですけど」。目を細めながら、注目度の向上を察している。

 あくまでも、主役は選手で「僕に注目はないんで大丈夫です、はい」と笑う。“常勝軍団”は、選手らを支えるスタッフへの配慮も忘れない。

○真柴健(ましば・けん)1994年8月、大阪府生まれ。京都産業大学卒業後の2017年に日刊スポーツ新聞社へ入社。3年間の阪神担当を経て、2020年からオリックス担当。オリックス勝利の瞬間に「おりほーツイート」するのが、ちまたで話題に。担当3年間で最下位、リーグ優勝、悲願の日本一を見届け、新聞記者の卒業を決意。2023年2月からFull-Count編集部へ。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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